PR

ライフ ライフ

井山、4冠返り咲き 囲碁・名人戦 芝野との3冠対決制す 

第45期名人戦七番勝負を制し、3期ぶりに名人に返り咲いた井山裕太四冠
第45期名人戦七番勝負を制し、3期ぶりに名人に返り咲いた井山裕太四冠

 囲碁の第45期名人戦七番勝負の第5局が13、14の両日、静岡県熱海市で行われ井山裕太棋聖(31)が178手までで、芝野虎丸名人(20)に白番中押し勝ちし、対戦成績4勝1敗で3期ぶり7度目となる名人位を奪還した。本因坊・天元と合わせ約11カ月ぶりに4冠へ返り咲いた。タイトル獲得は通算62期。今夏の本因坊戦でも井山に敗れた芝野は、名人初防衛もならず十段、王座の2冠に後退した。

     ◇

 3冠同士が対局した“新・旧最年少名人対決”は、旧最年少名人の井山裕太棋聖に軍配があがった。1年前、19歳11カ月の史上最年少で七大タイトルの一つである名人を奪取した芝野虎丸名人を、平成21年に20歳4カ月で名人を獲得した井山が打ち負かした。2人の最年少名人が生まれた対局場、静岡県熱海市の旅館は、名人交代の舞台にもなった。

 井山新名人は対局後、「どの碁も難しく、苦しい場面が多かったので、結果を残せたのは良かった。芝野さんをはじめ若い世代は強力。(自分が)少しでも成長していけるように頑張りたい」と話した。

 8月25に開幕した今期の名人戦七番勝負。第1局を制した井山は、「(相手の手は)厳しかった。簡単に勝てるような相手ではない」と神妙に話していたが第2局(9月15、16日)も劣勢のなか、我慢して打つうちに芝野のミスを誘い連勝。第3局(9月23、24日)こそ敗れたが、第4局(9月29、30日)に勝利し流れを引き戻していた。持ち時間が両者に8時間ずつある2日制の対局。序盤でじっくり時間を用い構想を練る井山の作戦が、瞬発力を要する短い持ち時間を得意とする芝野を上回ったようだ。

 ■「やり返す」流儀

 井山は昨秋の王座戦で、名人を獲得したばかりの芝野に敗れ3冠に後退した。常勝を誇った第一人者と勢いのある新鋭の戦いは、囲碁界にとどまらず後者に分があるのが、勝負の世界の常。芝野時代到来か-と思われた。

 その2人が今夏の本因坊戦七番勝負で激突。「プロとして、同じ相手に続けて負けるのは、気持ちのいいものではない」を信条の一つにする井山は、芝野の挑戦を4勝1敗ではね返し、9連覇を達成した。そして名人戦でも勝利。“やられたら、やり返す”というドラマ「半沢直樹」ばりの躍動で、井山強しを印象づけた。

 かつて4冠を保持した小林光一名誉棋聖(68)は「タイトル戦の挑戦権をかけて戦いながら、防衛戦で全国各地をまわって対局して、ゲッソリした」と明かしたことがある。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため4~5月の対局が延期された影響で夏場以降、井山や芝野らトップクラスの対局日程は例年以上に過密になっている。井山の場合、一力遼碁聖(23)の挑戦を受ける天元戦五番勝負を戦いながら国際棋戦、さらには十段戦トーナメントの対局が重なる。

 囲碁界初の5冠保持者の張栩(ちょう・う)九段(40)は30歳のとき、3冠へ後退した。張の義父、小林名誉棋聖は34歳で、趙治勲名誉名人(64)は26歳で4冠時代を終えている。7冠独占を2度も成し遂げるなど、昨年11月まで2685日間、4つ以上のタイトルを保持した井山。「対局を通して、自分を成長させていければ」と、さらなる精進を口にする。(伊藤洋一)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ