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【話の肖像画】女優・大地真央(64)(9)大切なこと「声」に教えられ

 舞台ではこうした場合、代役を立て、公演を続行するのが普通です。この作品に懸けていた私は悩み抜きましたが、意を決し、プロデューサーに「代役を立ててください」と申し上げました。すると(興行主である)松竹・永山武臣会長(当時)が「クレオパトラは大地真央以外にいない。心配ないから、ゆっくり休みなさい。待っているから」とおっしゃってくださったんです。二度と舞台に復帰できないかもしれない状況で、会社の利益より大地真央という女優を大切に思い、私の完治を信じてくださってのお言葉でした。感激しました。それからは早く復帰したい一心で、お医者さまも驚くほどの回復力を発揮しました。

 《結局、1週間の休演で復帰。公演再開後は連日、立ち見が出るほどの盛況になった》

 しばらくは病院から劇場に通っていました。「あー」と声が出るだけで、こんなにもうれしいものなのか。つらい体験でしたが、気づかされたことも多かった。いかに自分が、周囲の支えの中で役に集中できていたか思い知らされたんです。この1週間がなければ、私は鼻持ちならない人間になっていたかもしれません。そして自己管理の大切さも身に染みました。後日、永山会長にお目にかかったら、「ちゃんともうけさせていただきましたよ。これからもいいお芝居を見せてください」とお声をかけてくださいました。今では必要な試練だったと思います。(聞き手 飯塚友子)

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