PR

ライフ ライフ

【ふるさと富士】愛宕山 人と九十九島を育む佐世保のシンボル

多数の小島が密集する九十九島で優美な姿が際立つ「相浦富士」=長崎県佐世保市(納冨康撮影)
多数の小島が密集する九十九島で優美な姿が際立つ「相浦富士」=長崎県佐世保市(納冨康撮影)

 長崎県佐世保市にある愛宕山は「相浦(あいのうら)富士」として親しまれている。複雑に入り組んだ海岸と208の小島からなる「九十九島」の景勝の地でもその優美な山容は印象深い。

 標高259メートルの低山だが、山頂への道は意外な急勾配が続く。途中で足が止まり、年配の男性にあっさり先を越されてしまった。歩いて約30分。地元の人たちの散歩や運動の格好の場であるが、道には折れた木々があり、9月の台風10号の爪痕が残る。

 周辺は毎年2月の「相浦愛宕祭り」で最もにぎわう。戦国時代から伝わる「愛宕勝軍地蔵菩薩」が山頂で開帳され、登山道は参拝者で列ができるという。

 「山は佐世保のシンボル。毎年人々の幸せを祈願します」と話すのは地蔵菩薩を自らの手で運び上げる東漸寺(とうぜんじ)の奥島正就(せいしゅう)住職(56)。台風10号の暴風で東漸寺の屋根瓦も飛ばされた。「災害が増える中、どう自然と向き合うべきか」備えることの大切さを説く。

 眼下に広がる九十九島の海も台風の直撃を受けた。カキの養殖を約50年続けるマルモ水産ではカキ棚が損傷し、復旧作業とともに真ガキの水揚げが続く。

 「カキ自体に問題はない。台風被害は覚悟の上だが、最小限に抑えなければ」と末竹邦彦社長(55)。愛宕山を振り返りながら「子供の頃よう登ったね。この美しい海もしっかり残さんと」と目を細めた。

 低山なれど堂々と。その姿は自然の脅威にあらがわない佐世保の人々の強さと覚悟を象徴し、九十九島の海を優しく見守っているように見えた。(写真報道局 納冨康)

 掲載写真を実費でお分けします

 産経ビジュアル03・3275・8775(平日の午前11時~午後6時)。

 動画は「YouTube」産経新聞チャンネルでご覧になれます。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ