別タイプの小惑星衝突か はやぶさ2、リュウグウ観測
探査機「はやぶさ2」が観測した小惑星リュウグウは、母体となる天体に数億年前、タイプの異なる小惑星が衝突して現在の形になった可能性が高いことを、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や東京大などの研究チームが突き止めた。英専門誌で発表した。
小惑星は、炭素が多いため黒っぽく見える「C型」と、ケイ素が多い岩石質の「S型」などがある。リュウグウはC型で地表を黒い岩が覆っているが、はやぶさ2の観測で、白っぽく明るい色の岩石が点在していることが分かった。
この岩石21個について、色を分析して成分を調べたところ、6個がS型の特徴を持つことが判明。チームは数億年前にC型の母天体にS型の小惑星が衝突し、その際の破片が集まって現在のリュウグウができたと考えられると結論づけた。
はやぶさ2は12月6日、リュウグウで採取した砂が入ったとみられるカプセルを、地球上空からオーストラリア南部の砂漠に着地させる。チームの杉田精司・東京大教授は「試料から、リュウグウの成り立ちがさらに詳しく分かる可能性がある。分析に期待している」と話した。