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ノーベル賞 京大ゆかりの研究者、3年連続受賞なるか

 今年のノーベル賞の発表が5日から始まる。日本の自然科学3賞(医学・生理学、物理学、化学)の歴代受賞者24人のうち、11人が京都大にゆかりのある研究者だ。昨年まで本庶佑(ほんじょ・たすく)、吉野彰両氏と京大出身者が2年連続で受賞。京大伝統の「自由の学風」が、世界に先駆ける独創的な研究を生み出してきたとの見方も強く、3年連続の受賞者誕生となるか、「西の雄」に注目が集まる。(桑村大)

 「日本人のノーベル賞受賞者といえば京大出身。こうしたイメージが強くても不思議ではない」

 長年、京大で教鞭(きょうべん)を執り、「東大VS京大」(祥伝社新書)の著書で知られる京都女子大の橘木俊詔・客員教授は指摘する。実際、受賞者24人を卒業大学(学部)でみると、京大が最多の8人で、東京大5人(米国籍となった南部陽一郎氏を含む)、名古屋大3人と続く。

 日本人初の受賞者は、京大理学部卒の湯川秀樹氏。「中間子論」の発表で1949年に物理学賞に輝いた。以降、朝永振一郎氏(理学部卒)、福井謙一氏(工学部卒)、利根川進氏(理学部卒)が受賞。2000年代も卒業生の受賞は相次ぎ、18年の本庶氏(医学部卒)と19年の吉野氏(工学部卒)は記憶に新しい。

 一方、卒業後に京大に籍を置いて研究実績を重ねた研究者も少なくない。08年に「小林・益川理論」で物理学賞を同時受賞した益川敏英氏と小林誠氏は名古屋大卒だが、いずれも京大時代の成果が評価されて受賞に至った。神戸大出身の山中伸弥氏も、京大教授だった06年に人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作製に関する論文を発表し、12年の医学・生理学賞を受賞した。

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 教育・研究機関の規模としては東大が京大を圧倒しながらも、京大ゆかりの受賞者が目立つのはなぜか。

 橘木氏は「政治家や官僚など文系中心のエリートを輩出する東大に対し、京大は『研究第一』を掲げる理系重視の伝統がある」と分析。京大は理工科大(後の理学部と工学部)が創立時から設置されていた背景もあり、「官僚採用試験で東大と競うより、より学問の追究に特化した大学を目指して方針転換したのが成功した」と話す。

 京都が首都から物理的に離れていることも要因とし、「独立独歩を貫き好きな研究に打ち込める気風がある」と説明。こうした環境に憧れ、人材が集まりやすい土壌もあるという。

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 リチウムイオン電池の実用化に成功し、昨年の化学賞を受賞した吉野氏は、日本人初の化学賞受賞者となった福井氏の孫弟子。当時の最先端だった福井氏の研究分野に憧れて京大に入学した。研究の傍ら、考古学研究会に所属して遺跡発掘に没頭。「この経験が後の研究開発で非常に役に立った」と、自由な学風を振り返った。

 ノーベル賞の登竜門といわれるラスカー賞などの国際賞を受賞した理学部の森和俊教授らの名前が毎年有力候補として挙がる京大。今年もゆかりの研究者から目が離せない。

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