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PCR検査「世田谷モデル」暗礁に乗り上げる 財源、受け皿の確保に課題

 また、施設内感染を完全に押さえ込むため、無症状の感染者を一人残らず見つけ出すには、定期的に検査を繰り返す必要があるが、財源確保が事業継続のネックになる。厚労省は15日、医療機関や高齢者施設の職員を対象とした検査費を国費で負担すると通知。同区の担当者は「費用が全額区の持ち出しとなれば、定期的な検査は厳しい」と語る。

 感染者が大量に見つかった場合の対応も十分とはいえない。軽症や無症状なら原則ホテル療養となるが、区では独自に療養施設を確保する予定はなく、都に頼るしかない。区内にはホテルなどの受け入れ可能施設がないためという。

 都はホテル8カ所で1860人程度を受け入れる態勢を整えているが、今回の検査で1割が陽性となれば大きな負担になりかねない。担当者は「(都のホテルが満床となった場合は)自宅待機をしてもらい、ベッドが空き次第移動してもらう」という。

 秋から冬にかけてはインフルエンザとの同時流行が懸念される中、担当者は「通常の行政検査の数量を確保するため、施設向けの検査を一旦中止せざるを得なくなる」と話し、事業継続の可否は見通せない。

 東京医療保健大の菅原えりさ教授(感染制御学)は「高齢者や障害者施設にウイルスを持ち込まないことは重要。新型コロナは無症状の感染者が非常に多く、スクリーニング検査に有用性はある。ただ、定期的な検査をしなければ実効性は上がらない。また、検査拡大で増える可能性がある軽症や無症状の陽性者を自宅療養に切り替えるなど、環境を整える余地が残されているのではないか」と述べた。(王美慧)

【世田谷モデル】東京都世田谷区の保坂展人区長が7月下旬に表明し、新型コロナウイルスのPCR検査を「いつでも、どこでも、何度でも」受けられるようにする構想。症状を問わず、希望者全員が無料で検査を受けられる米ニューヨーク州を参考にした。従来の検査も1日最大300件の検査能力を600件へと能力を倍増させる。

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