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【主張】教科書採択 自虐史観の復活が心配だ

 来年度から中学校で使われる歴史・公民教科書の採択で、現在は育鵬(いくほう)社版を使っている市町村の多くが他社版に切り替えることが分かった。

 育鵬社版は、日本の歴史や文化への愛情を育むことを編集目標に掲げている。しかし、反対派が組織的な不採択運動を展開していた。

 そうした運動が採択に影響を及ぼしたのなら問題だ。文部科学省や各地の教育委員会には厳格な調査を求めたい。

 育鵬社版の歴史・公民いずれかの教科書を現在使用しているのは全国23市町村に上る。このうち半数以上の14市町村が、今夏に行われた採択で、来年度から他社版を使うことに決めた。横浜市や大阪市などの大規模自治体も他社版に切り替えた。

 育鵬社版に対しては、反対派がウェブサイトで「戦争賛美」などとレッテルを貼り、各地の教育委員会に電話やファクスで不採択を求めるよう呼び掛ける運動を展開していた。教育委員の名前を並べ、手紙を出すよう促すサイトもみられた。

 実際、電話や手紙で外部から激しい働きかけを受けたと訴える教育委員もいる。文科省は今年3月、採択にあたり「静謐(せいひつ)な環境」の確保を求める通知を全国に出したが、静謐が保たれたとはとても言えまい。

 懸念されるのは、自虐的な内容の教科書が多くなることだ。

 今回の教科書検定では、「新しい歴史教科書をつくる会」が主導した自由社版の歴史教科書が不合格となった。育鵬社版と同様、自国への愛情を育むことを編集方針としていたが、採択のスタートラインにすら立てなかった。

 一方、不適切な「従軍慰安婦」の呼称をはじめ、ことさら自国をおとしめるような記述が検定にパスしている。自虐史観からの脱却を図る教科書改善の流れに、逆行しているのではないか。

 こうした中、尖閣諸島を行政区域とする沖縄県石垣市(与那国町と共同採択)は育鵬社版を継続して採択した。領土の記述など内容を重視したものだろう。外部からの働きかけに左右されず、毅然(きぜん)と採択した姿勢を評価したい。

 来春からは新しい教科書を使った授業がはじまる。

 どの教科書であろうと、子供たちに歴史や文化への愛着を抱かせる授業に努めてほしい。

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