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ワクチン共同購入で足並みそろわず 米露見送り、中国も距離

世界貿易機関(WTO)の本部=6月、スイス・ジュネーブ(ロイター)
世界貿易機関(WTO)の本部=6月、スイス・ジュネーブ(ロイター)

 【ロンドン=板東和正、北京=三塚聖平】新型コロナウイルス感染症のワクチンを共同購入する世界保健機関(WHO)主導の国際的枠組み「COVAX(コバックス)」をめぐる主要国の足並みが乱れている。日本や英国など170カ国以上が参加を確約したが、米国やロシアは見送る方針だ。中国も参加を明言していない。先進国のワクチン争奪戦を防ぎ、途上国にも行き渡らせるための枠組みだが、主要国の不参加で効果が薄れる可能性がある。

 COVAXは、参加国がワクチンの開発・製造や配布のための費用を出資し合う仕組み。2021年末までに20億回分の接種量を確保し、各国で人口の約20%をカバーする目標を掲げている。参加表明の期限は18日だった。

 WHOのテドロス事務局長は「限りある(ワクチン)供給を戦略的に世界全体で共有し、ワクチン・ナショナリズムを防ぐ」と意義を強調。しかし、米国やロシアはWHOの枠組みに縛られず、ワクチンの調達や配布を自国で主導したい考えとみられる。

 AP通信によると、トランプ米政権は「WHOのような多国間組織に(ワクチンの調達や配布などを)制約されたくない」との意向を示した。トランプ米大統領はワクチンについて「年内に少なくとも1億回分の接種量」を確保できるとし、全米に普及させる独自の配布戦略を発表している。露政府関係者も今月、現地メディアに「われわれは独自のワクチン生産を開始しており(参加する)必要がない」などと述べた。

 一方、中国外務省の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は18日の記者会見で「中国はCOVAXを支持する」と述べつつも、参加するかどうかは明言しなかった。汪氏は、中国のワクチン開発が「世界で最前列にある」と成果を誇示。香港ネットメディア「香港01」は、中国のワクチン開発が進んでおり、COVAXへの参加は「価値が大きくない」との見方を示す。

 中国の習近平政権は途上国への「ワクチン外交」を展開しており、自国主導でワクチン提供を進めたいとの思惑も指摘される。

 【用語解説】COVAX(コバックス)新型コロナウイルス感染症のワクチンを公平に確保・分配するため、世界保健機関(WHO)が主導するワクチン共同購入の枠組み。参加する高・中所得国は自国の資金拠出により、途上国はドナー国・団体からの拠出金により費用を手当てする。共同で調達したワクチンは人口に応じて各国に分配する。

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