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「静岡鋳物の魅力広めたい」 一般向け「重太郎」で身近に 栗田産業

自社ブランド「重太郎」のぐい呑みなどをアピールする栗田産業の栗田圭副社長=静岡市駿河区(那須慎一撮影)
自社ブランド「重太郎」のぐい呑みなどをアピールする栗田産業の栗田圭副社長=静岡市駿河区(那須慎一撮影)

 静岡鋳物の魅力を広めたい-。こう意気込むのは、静岡市駿河区に本社を置き、鋳物製造を行う栗田産業の栗田圭副社長(41)。同社は、大手ロボットメーカーの鋳物製造などを行い、高い技術力で長年、業界内で知られる存在。ただ、「もっと鋳物を身近に感じてもらいたい」との思いから、スズを用いて、高いデザイン性を持たせた一般向けの酒器や箸置きを開発。明治期に同社を創業した初代社長の名前を取って「重太郎」ブランドとして積極販売に乗り出した。静岡市内の鋳物の歴史を探りながら、一般消費者向けの鋳物商品を開発した思いを探る。(那須慎一)

 現在、静岡市の街中にはその面影が少なく、詳しく知る人も少ないが、かつて、市内でも鋳物産業が盛んだったことがある。

 江戸時代には静岡市葵区横田町周辺に「鋳物師町」という地名が存在。当時の駿府城周辺で、徳川家康公御用達の鋳物師たちが鋳物づくりを行っていたことに由来するという。

 栗田産業の創業者、栗田重太郎氏は、7歳で両親を亡くし、東京の鋳物屋ででっち奉公するなど苦労をしたのち、明治23年、18歳のときに静岡に戻り、今の横田町周辺で前身の栗田鋳造所を設立。その後、重太郎氏は指導者としても貢献し、静岡鋳物の発展に尽くしたとされている。

 鋳物製造は一般にキツイ、汚いなど「3K」職場のイメージが持たれているが、「地域社会に貢献してきた初代の創業精神を現代に引き継ぎ、もっと目に見える形で鋳物文化を知っていただきたい。もし創業者が生きていて『地域の人々の暮らしに役に立つ鋳物商品を提供したい』と私が話したら、やりなさいと言ってくれるはず」(圭氏)との強い思いから、一般消費者向けの鋳物製品を開発することにした。

 平成29年に「重太郎」ブランドとして、県鳥であるサンコウチョウをモチーフにした鉄の鋳物の栓抜きを開発、発売し、スタートを切った。もっとも、鉄の鋳物はサビが出るのに加え、作業に手間がかかるといった課題もあり、スズの活用を思いつく。スズの酒器で日本酒を飲むと雑味がとれ、まろやかになるといわれていることを知り、富山でスズのぐい呑(の)みなどを製造しているメーカーに相談したうえで、商品開発を開始。当初は型の砂が商品に付いてしまったり、磨いて光らせる技術も持ち合わせなかったため、試行錯誤の連続だったが、約1年間の開発を経て、30年夏にデザインを施した丸いぐい呑みの発売に至った。

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