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【国民の自衛官 横顔】(5)人のためになりたい 海自多用途支援艦「えんしゅう」先任伍長 近内淳海曹長(49)

多用途支援艦「えんしゅう」艦上で潜水服に身を包んだ近内淳海曹長=神奈川県横須賀市の海自横須賀基地(宇都木渉撮影)
多用途支援艦「えんしゅう」艦上で潜水服に身を包んだ近内淳海曹長=神奈川県横須賀市の海自横須賀基地(宇都木渉撮影)

 潜水員として長年、水中の探索や危険物の処分などに従事してきた。累計潜水時間は8500時間に及ぶがこの間、無事故を貫く。1本のボンベで少しでも長く水中での作業を続けられるよう、呼吸法に工夫を重ねるなどしてきた「プロ意識」のたまものだ。

 生まれ育った福島県白河市は県中央部の「中通り」に位置し、山や田畑が広がる。高校時代、防衛大学校出身の恩師から自衛隊の仕事について説明を受けて興味を持ち、「海への憧れ」も、海上自衛隊への入隊を後押しした。

 湾岸戦争終結後の平成3年、自衛隊にとって初の海外任務となる掃海部隊の一員として中東、ペルシャ湾に派遣された際に見た光景が転機となる。潜水服に身を包み、海中で懸命に機雷撤去の作業を続ける先輩の姿に感銘を受けた。

 水中での作業は往々にして視界がさえぎられ、天候不良で海は荒れる。そんなときも「けがをしたら、作戦は失敗だ」と、先輩からたたき込まれた教えを忠実に実践してきた。現在は多用途支援艦「えんしゅう」に乗り込み、機関科ディーゼル員兼潜水員として艦のトラブルに備える。

 東日本大震災の発生直後、救助活動に当たった宮城県で、被災者から「家族を捜してください」と直接、声をかけられたことが忘れられない。自衛官の一人として、悲しむ人、苦しむ人のためになりたい-。ベテランと呼ばれるようになった今も、その一心で潜水服をまとう。(宇都木渉)=随時掲載

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