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5Gで国宝を身近に 「聖徳太子絵伝」鑑賞体験イベント

「魔法のグラス」をかけて聖徳太子絵伝(複製画)に向き合うと、太子の生涯をアニメーションで楽しめる
「魔法のグラス」をかけて聖徳太子絵伝(複製画)に向き合うと、太子の生涯をアニメーションで楽しめる

 高速大容量の移動通信システム「5G」が、はるか昔の文化財と現代の鑑賞者の距離をぐっと近づけてくれそうだ。東京国立博物館(東博)と文化財活用センター、KDDIがタッグを組み、およそ千年前に描かれた国宝「聖徳太子絵伝」を5GやAR(拡張現実)技術によって読み解く鑑賞イベントが、29日から10月25日まで、東博の法隆寺宝物館(東京・上野公園)で開かれる。(黒沢綾子)

■現存最古で最高傑作

 東博が所蔵する国宝「聖徳太子絵伝」は平安後期の1069年、摂津国の絵師、秦致貞(はたのちてい)によって描かれ、かつては奈良・法隆寺の絵殿内壁にはめこまれていたという。

 飛鳥時代に仏教を日本に根付かせ、遣隋使の派遣、憲法十七条の制定と大活躍したとされる聖徳太子の伝記『聖徳太子伝暦(でんりゃく)』が10世紀に成立すると、それを絵画化した「絵伝」もさかんに制作された。中でも本作は、現存最古にして最高傑作といわれる。

 10面からなる大画面には法隆寺のある斑鳩(いかるが)を中心に、飛鳥や難波(なにわ)、海を越えて中国・衡山(こうざん)までを見渡す雄大な景観が描かれ、太子にまつわる58のエピソードがちりばめられている。ただし貴重な国宝ゆえに、展示期間は年に1カ月ほど。しかも長い年月を経て画面はいたみ、展示ケース越しでは詳細がわかりづらいのが実情だ。

■2つの鑑賞方法で

 今回のプロジェクトでは「絵伝」1面あたり18億画素という高精細・大容量画像を使用し、「魔法のグラス」「魔法のルーペ」の2種のコンテンツを用意。会場に国宝の実物はないが、原寸大の複製画パネルが展示されている。

 「魔法のグラス」は、現実世界にデジタル情報を重ね合わせて表示できるARグラス。グラスをかけて複製画の前に立つと、太子の生涯にたどる15のエピソードが紹介され、剥落して見えにくい部分もアニメーションで鮮やかに示される。

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