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【大森由紀子のスイーツの世界】砂糖への夢追い続けたフランス

イタリアが発祥とされる砂糖菓子
イタリアが発祥とされる砂糖菓子

 日本人には、お菓子を食べて「甘くなくておいしい」と言う人がいますが、フランス人ではありえません。なぜならば、フランス人は大いなる砂糖への夢を追いかけてきたからです。

 新型コロナウイルス禍で、アルベール・カミュの小説「ペスト」が売れているそうですが、中世ヨーロッパで人口の3割の命を奪ったペストに立ち向かった1人の医師がいました。ノストラダムスです。医者であり、預言者でもあり、料理研究家という顔もありました。彼に砂糖の研究をさせていたのが、イタリアからフランスのアンリ2世に輿(こし)入れしたカトリーヌ・ド・メディシスでした。カトリーヌは宮廷に砂糖と砂糖菓子を持参。ノストラダムスは研究成果を「化粧品とジャム論」という書物に記します。砂糖菓子の伝来と研究はフランスの食文化に改革をもたらしました。

 当時貴重だった砂糖はまず、王の権威を示す食卓装飾として砂糖菓子に用いられました。大航海時代にポルトガルが先陣を切り、植民地でサトウキビを栽培するようになり、オランダ、イギリス、遅れてフランスが続きます。フランス革命で庶民も甘いものを口にできるようになると、その需要はますます増えました。ナポレオンの大陸封鎖でサトウキビが手に入らなくなると、国内でテンサイ糖の生産を始めました。砂糖に焦がれていたフランス人。そんな時代の夢をパティシエたちは忘れていません。

おおもり・ゆきこ フランス菓子・料理研究家。「スイーツ甲子園」(主催・産経新聞社、特別協賛・貝印)アドバイザー

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