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【話の肖像画】作家・湊かなえ(47)(10)「イヤミス」で前向きに

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平成21年、デビュー作『告白』が本屋大賞に選ばれた 
平成21年、デビュー作『告白』が本屋大賞に選ばれた 

 《平成20年、短編「聖職者」を収録したミステリー『告白』で衝撃的なデビューを飾り、翌年には同作で第6回本屋大賞を受賞。累計発行部数360万部を記録する大ヒットとなり、後味の悪いミステリーを生み出す「イヤミスの女王」と呼ばれるようになる》

 これだけたくさんの読者が付いてくださったのは、「イヤミス」という言葉が後押ししてくれている部分があると思っています。ただ、そうじゃない『山女日記』『絶唱』などの作品も書いているので、前向きな作品を読みたいという読者が、この人の作品はバッドエンドだからと敬遠することがあれば、間口を狭めてしまうことになるので、もったいないなと思います。

 後味が悪いといわれますが、『告白』の単行本が出たばかりの頃は、読者の評価は半々だったんですよ。バッドエンドだけど、悪者が高笑いして終わるラストじゃないし、すっきりしたという人もいたんです。

 サイン会などでも案外、「嫉妬心や悪意を持つ自分のことが嫌いだったけれど、小説を読んで、誰でもそういう感情を持つのだと知り、自分を許せる気がしました」と言ってくださる読者の方が割といるんです。黒い感情って、誰もが持っていて、ないことにしたい部分でもあり、それが書けるのは小説だから。書きながらつらくなることもありますが、小説で最悪な体験をすることによって、実生活で何か回避策や新しい生き方が見えてくるのではないかと思うのです。

 《22年、『告白』が中島哲也監督によって映画化され、大ヒットを記録した》

 中島監督は、映画「下妻物語」のときから注目していた方なので、監督に決まったと聞いたときはうれしかったです。映画化に当たって、中島監督と東京でお会いしました。「何か要望はありますか」とおっしゃったので、「小説の向こう側を見せてください」と伝えました。そしたら、「ハードルあげられたなあ」と。

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