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反対派運動「携帯鳴り自宅に封書」 育鵬社版急減の背景に潜む「事なかれ主義」

■日教組が発言力

 教育委員会は教科書採択を含め教育行政の重要事項や基本方針を決める。教委事務局を統括する教育長と原則4人の委員(都道府県や政令市は増員可)で構成され、いずれも首長が議会の同意を得て任命する。ただ教育長以外は非常勤で、定例会は月1~2回のみ。行政や教育の関係者は「委員は名誉職のようになっている」と口をそろえる。

 結果として教科書採択でも、依然として最大の教職員組合である日本教職員組合(日教組)が大きな発言力を持つ「現場」の意向を追認する傾向が強くなる。

 過去に関西で教育委員を務めた男性は、文科省の検定を通った教科書を「現場」が公然と非難する現状を憤り、「教育委員は政治家ではない。反対派の運動を見て怖くなることもあるだろうし、多くは批判される恐れのある判断は避ける」。

 東京都武蔵村山市で教育長を務めたのをはじめ、4自治体の教委を歴任した武蔵野大の持田浩志客員教授によると、教育委員候補を選ぶ首長も、他の委員をリードする教育長も、同様に無難な判断をしやすいと証言する。反対派による議会質疑や要望活動など、多くの煩雑な対応に追われることを避けるためだ。

 今回のような状況が起こった要因を「一言で言うと推進派の熱が冷めてしまった」と分析。第1次安倍政権の平成18年に成立した改正教育基本法で、教育の目標に「我(わ)が国と郷土を愛する態度を養う」の文言が加わり、それが後に学習指導要領に反映されたことで危機感が薄れたという。一部の政党やメディアを含む反対派が地道に不採択運動を続けたのとは対照的に、推進派は関心を向け続けられなかった-との指摘だ。

 反対派は教育委員の中立性、公正性を叫び、「教員が使いやすい教科書を選ぶべきだ」と訴える。一方、前出の元教育委員は「現実には反対派が中立性、公正性を阻害している。民意で選ばれた首長と議会を通して任命された教育委員よりも、現場の意向が過剰に重視されるゆがんだ形の採択になっている」と主張している。

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