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【健康カフェ】(184)糖尿病「予備軍」でも危険 見過ごさないで

 糖尿病がなんとなく怖い病気であることは、多くの人が知るところになっているかと思います。最近では新型コロナウイルス感染症が悪化しやすいと聞いた人もいるでしょう。ただ、具体的にどんな合併症を引き起こすか、答えられる人は少ないかもしれません。

 血糖値が高いまま放置すると失明や腎不全に至る危険性がありますが、早期から治療を受ければそう恐れることはありません。糖尿病で最も問題となるのは動脈硬化を早めてしまうことでしょう。これは心臓病や脳卒中などの心血管病を引き起こします。

 高血圧と脂質異常症で通院している60代前半の男性患者さんは糖尿病予備軍といえ、血糖値をとても気にしていました。

 実は糖尿病と診断される手前の予備軍の段階でも、体には悪影響を及ぼしていることが分かってきていて、7月に英国の医学雑誌に発表された論文でも示されています。これまでに行われた糖尿病予備軍と死亡率、心血管病発症率の関係を調べた研究をまとめて評価したものです。一般の人を対象にした研究では、およそ10年の経過で、予備軍の人は正常血糖の人に比べ死亡率や心血管病発症率が14%前後高くなっていました。既に動脈硬化性疾患の既往がある人では、約3年の経過で予備軍は正常血糖に比べ死亡率も心血管病発症率も約36%高くなっています。

 糖尿病は予備軍の段階でも、油断できるものではないということです。食事に気を使ったり、運動したりと生活習慣を改善することは糖尿病の予防に役立ちますが、同時に心血管病発症を防ぐことにもつながるはずです。高血圧や脂質異常症など、他の動脈硬化を進める異常があれば、それもきちんと治療しておくべきです。

 現在、日本では糖尿病患者数が1千万人いますが、予備軍も同じ数だけいると推計されています。その人たちを見過ごすことなく、糖尿病や心血管病の予防や治療につなげていくことは大きな意味があるということが分かります。

 この男性患者さんにも、引き続き生活習慣に注意し、高血圧と脂質異常症の治療を続けることの大切さをお話ししました。

(しもじま内科クリニック院長 下島和弥)

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