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コロナ禍にも負けない 国民食ギョーザは持ち帰りでも人気

堺市に新たにオープンした持ち帰り専門店「まんぷく亭」の餃子(同店提供)
堺市に新たにオープンした持ち帰り専門店「まんぷく亭」の餃子(同店提供)
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 パリッと焼きあがった餃子にからむたれ、口に広がる肉汁とシャキシャキの野菜の食感に、箸が止まらなくなる-。グルメ雑誌で特集が組まれたり、ご当地名物として人気を博したりと今や国民食として定着する餃子。新型コロナウイルス感染拡大で需要が高まる持ち帰りでも存在感を示し、コロナ禍にかかわらず新規開業する店も出てきた。さらに、地域活性化の起爆剤としても期待が寄せられているといい、コロナに負けない、多様な可能性をその皮の中にぎゅっと詰め込んでいる。(小川恵理子)

持ち帰り専門店

 「泉州産の材料をふんだんに使用しました。特製味噌(みそ)だれで食べるのがおすすめです」

 堺市堺区で8月、持ち帰り生餃子専門店「堺味噌だれ餃子 まんぷく亭」が新規オープンした。コロナ禍による外出や営業の自粛で厳しい状況に置かれる飲食店が多い中、オーナーの萬代(まんだい)優太さん(38)と佳奈さん(36)夫妻は「外食は減った分、家で食べる内食は増えている。飲食業でも持ち帰りは時代のニーズに合っている」と出店の好機と捉えた。

 実は堺市は平成29年の総務省の家計調査で餃子の世帯当たり年間購入額が宇都宮市と静岡県浜松市に次いで3位となったこともある、知られざる餃子の町。市内などで5店舗を展開する持ち帰り餃子専門店「龍華山」など有名店もある。焼き餃子協会(東京都港区)がまとめたデータによると、今年1月~6月の100世帯あたりの購入頻度でも、全国4位にランクインした。開業したばかりのまんぷく亭も8月1日の開店から2日で約9千個売り上げた。

コロナ禍で需要増?

 コロナ禍で、持ち帰り需要は確実に増えている。緊急事態宣言下の今年5月に持ち帰りを利用した人は58・1%。リクルートライフスタイル(東京)が今年6月、20~60代の男女約1万3千人(有効回答数約1万人)を対象に行った持ち帰りの利用実態調査で分かったデータだ。

 餃子も人気の持ち帰りメニューのようだ。「餃子の王将」を展開する王将フードサービス(京都市山科区)も、コロナ禍の影響を受ける中、持ち帰りが業績を牽引(けんいん)し、4~6月期連結決算でも赤字は免れた。8月には持ち帰り促進キャンペーンを実施。同月の直営店の売り上げは過去最高に迫る約68億円を達成した。

 餃子は持ち帰りに適している。「調理済みならそのまま、生でも焼くだけで簡単に食卓に並べることができる。もともと『半総菜』として子育て世代の家でよく食べられている」と、焼き餃子協会の小野寺力(ちから)代表理事は説明する。

 協会によると、日本では多様な具を持つ焼き餃子が独自に発達し、通販で購入できる数だけでも1500種類以上あるという。「ニンニク抜きや変わり種などバリエーションも多くサイズも大きくないので食べ比べも楽しい。子供の苦手なものを入れても食べてくれるし、老若男女に好まれる、まさに国民食です」

おいしさだけじゃない

 「ニンニク入りでスタミナ料理。さらに、手早く食べることができる。工業地帯で働く人の間で人気が出たのが浜松餃子のルーツという説もある」

 毎年、宇都宮市とともに餃子購入額1位を争っている浜松市。「浜松餃子学会」の花枝(はなえだ)一則さん(52)は市内のヤマハやホンダの工場周辺ではやったのが「餃子の町」として知られるきっかけという説を教えてくれた。餃子にはファストフード的な手軽さと栄養摂取という、一見、両立が難しそうな食の魅力が詰まる。

 同学会は浜松餃子の振興、普及を通じて、浜松市の魅力を全国に発信しようと取り組んできた。餃子販売店の情報を取りまとめた地図の発行なども行う。餃子は、市民の胃袋を満たすだけでなく、市の活性化にも役立つという。

 堺市も平成29年に購入額3位になったさいにPR動画を制作し、地域振興に生かそうとした経緯がある。市観光企画課では「新しい店舗が増えて注目が集まり、再び上位に食い込むことがあれば何か新しいPRを考えたい」と明かす。

 持ち帰り需要も増えている今、餃子を使った地域振興は実現するのか。餃子の可能性に期待が寄せられている。

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