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【コロナ その時、】(12)手探りの経済再開、長期戦も覚悟 2020年5月26日~

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 緊急事態宣言が全面解除され一夜明けた5月26日、東京都は3段階で実施する休業要請緩和の「ステップ1」に入った。午後7時までだった店舗での酒類の提供は午後10時まで延び、美術館や図書館も再開した。

 ただ、経済活動が再開されても、「巣ごもり」に慣れてしまった客がどこまで戻るか見通せず、店側は手探りの対応を強いられた。飛沫(ひまつ)防止のアクリル板でテーブルを仕切り、換気のためドアを開け放ち、店員はマスク姿で客を迎えた。

小池都知事「ウィズコロナ宣言」

 明確な感染対策の基準がないなか、スーパーはレジ前の床に目印を付けて客同士の間隔を確保するなど、業界団体ごとに策定した指針も参考に全国で「新たな日常」の模索が進んだ。

 小池百合子都知事は29日、スポーツジムや映画館も再開対象となる「ステップ2」に6月1日から移行すると表明。同時に、新型コロナウイルスとの長期戦を見込み、「『コロナとともに』という意味で、『ウィズコロナ宣言』を行いたい」と述べた。

 そんななか、北九州市は5月31日、市内の小学校でクラスター(感染者集団)が出たと発表。6月から全国で本格化する学校再開を前に不安が広がった。

試行錯誤の「新しい生活様式」

 緊急事態宣言の全面解除を受け、新たな日常の模索が始まった。街の店舗では、戸惑いながらも営業再開や営業時間を延長する動きがみられた。生活必需品の売り場に限り営業していた高島屋は5月27日、全館で営業を再開。スターバックスコーヒージャパンは同日から首都圏での店内飲食を再開した。

 一方、「ガスト」などを展開するすかいらーくホールディングスは26日、深夜営業を7月から原則廃止すると発表。業者は「新しい生活様式」を試行錯誤で見つけようとしていた。

 政府は27日、新型コロナウイルスの感染拡大に対応する追加経済対策とその裏付けとなる令和2年度第2次補正予算案を閣議決定した。歳出規模は30兆円を超え、民間融資を含む事業規模は約117兆円。それまでの経済対策と合わせると230兆円を超え、国内総生産(GDP)の4割に相当する「空前絶後」(安倍晋三首相)の規模となった。菅義偉(すがよしひで)官房長官は記者会見で「日常の経済活動を取り戻す必要がある」と強調した。

黒人暴行死事件への抗議デモ拡大

 米国では東部ニューヨーク州での感染爆発が峠を越し、5月には収束の兆しをみせたが、中西部ミネソタ州ミネアポリスで起きた黒人男性暴行死事件への抗議デモが広がっていた。新型コロナの流行で家にこもっていた人々がこぞって街頭に繰り出し、31日には抗議デモが全米75都市以上に拡大。米メディアは、トランプ大統領が地下壕(ごう)に一時避難したと報じた。

 6月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)について、トランプ氏は各国首脳を米国に集めて開くべく調整を進めていたが、30日に開催の延期を表明した。

 香港情勢も緊迫の度を増していた。中国は28日、全国人民代表大会(全人代)で、香港への国家安全法制導入を採択。「一国二制度」が骨抜きにされる事態に反発した香港市民は27日、香港の立法会(議会)で中国国歌への侮辱行為を禁じる国歌条例案の審議が再開されたのに合わせ、1000人以上が香港各地に集結した。警察当局は、違法集会に参加した容疑などで360人以上を逮捕した。

 このころ、世界の感染拡大の中心は新興国に移り、ブラジル、ロシアは感染者数が40万人を超えた。

5月29日 都心上空 感謝のブルーインパルス飛行

 29日昼、晴れ渡った紺碧(こんぺき)の都心上空を6つの白い線がたなびいた。航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」6機による、医療従事者に感謝の意を示す編隊飛行だ。見守る人々から拍手がわき起こり、ネット配信でも「涙がこぼれた」との声が聞かれ、コロナ禍で不安を抱える人々をも励ました。

 ただ、緊急事態宣言が解除され感染拡大の第2波を警戒する見方もあった。NTTドコモによると、首都圏と北海道では解除後初の週末の30日、東京・銀座などすべての繁華街で1週間前より人出が増えた。

 14日に宣言が解除されていた北九州市で感染者が急増していた。29日には1日最多の26人が確認され、このころ小学校や医療機関などでクラスター(感染者集団)が発生。北橋健治市長は「第2波のまっただ中にいると認識している」と強い危機感を訴えた。

 6月に入ると、キャバクラなど「夜の街」での感染が増え、コロナとの長期戦は現実味を帯びていく。

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