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なぜ違う「重症者」基準 国と東京、大阪 医療逼迫度の評価困難に

 新型コロナウイルスの感染者のうち、「重症者」の基準が国と東京都、大阪府でそれぞれ異なることを疑問視する声が上がっている。19日時点で公表された重症者数は感染者数が最多の東京都が32人なのに対し、大阪府が2倍近い60人となる“逆転現象”が発生。病床使用率など医療態勢の逼迫(ひっぱく)度について、統一的な評価ができなくなる恐れがあり、都は19日夜、国の基準でカウントした数字を厚生労働省に報告する方針を明らかにした。

 厚労省は4月下旬以降、集中治療室(ICU)に入室▽人工呼吸器を装着▽人工心肺装置「ECMO(エクモ)」を使用-のいずれかに当てはまれば、重症者として報告するように都道府県に求め、集計結果を週1回公表している。

 大阪府では、厚労省の基準に「気管挿管した患者」を加え、重症者を定義。気管挿管については、厚労省が2月の通知で、新型コロナ患者の重症化を判断する際に例示していたことを根拠にしているという。

 府の担当者は「あくまで厚労省の通知などに基づき定義しており、府で独自に判断しているものではない」と釈明。吉村洋文府知事は18日、大阪府が東京都より重症者が多いことをめぐり「東京とは基準が違う」と言及しながら、「それだけが理由では説明がつかない」とも話した。

 一方、東京都は厚労省の基準の通知以前にはICUに入った患者を単純に積算していたが、通知後は人工呼吸器やECMOの使用に限って重症者扱いとし、厚労省に報告してきた。

 都の担当者は「ICUの患者は必ずしも重症ではない一方、人工呼吸器やECMOの使用は判断基準が明確であり、専門家の助言を踏まえ、より現場の実態に即した形にした」と説明。厚労省の基準で算出すると、重症者は10人前後増える可能性があるという。

 厚労省の担当者は「現場の医師の判断ではばらつきが生じるため、統一的な指針は必要」と基準への理解を求める。気管挿管を行う患者の大半は人工呼吸器を装着することになるため、大阪府の報告に統計上の支障はないとみている。

 その上で、「重症者用の病床使用率を比較することで、感染の広がりの評価につながる。統計の継続性からも同じ基準で集計しなければ意味がない」と強調。東京都に改善を求めた。

 こうした事態を受け、都は19日夜、20日以降の報告を厚労省と同じ基準で行う方針を明らかにした。都の政策判断には現行通りの独自基準を用いるという。

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