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追悼・李登輝元総統 「日本の首相だったら」 作家・エッセイスト、阿川佐和子

作家・エッセイストの阿川佐和子さん(荻窪佳撮影)
作家・エッセイストの阿川佐和子さん(荻窪佳撮影)
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 先月30日に97歳で亡くなった台湾の李登輝元総統を偲(しの)ぶ声が広がる。日本と台湾の民間交流の促進を図る「日本李登輝友の会」(本部事務局・東京)の初代会長を務めた作家、阿川弘之さん=2015(平成27)年死去=を父に持つ作家でエッセイストの阿川佐和子さん(66)は、温和さと剛毅(ごうき)さを併せ持った李元総統の思い出を語った。

 《李元総統と初めて会ったのは、父の知人に招かれた台湾旅行中だった》

 「01年ごろだったと思う。父が懇意にしていた蔡焜燦(さい・こんさん)さん(台湾の実業家で、日台民間交流の立役者。17年死去)から、両親や友人らと一緒に台湾に招かれた。当時の私の台湾に関する知識は、食べ物がおいしいということぐらい。蔡さんの案内で各地を回るうち、中国共産党と戦ったのだからいい人なのだろうと漠然と考えていた蒋介石が実は台湾の人々を苦しめていたことなど、それまで全く知らなかった台湾の歴史を聞かされた。その旅行中に突然、李登輝さんから家でお茶を飲まないかと招待を受けた」

 「『やあ、いらっしゃい』と出迎えてくれた李登輝さんは、私とは日本語で、奥さまとは英語と中国語で話していらして、驚いた記憶がある。その日本語がまたお上手。『台湾はいかがですか』と聞かれて、あれもおいしい、これもおいしいと食べ物のことばかり答えていると、ニコニコ笑って『台湾は果物がおいしい。ぜひこれを食べて帰りなさい』と、仏頭果(ぶっとうか)という大きな果物をお土産にいただいた。私のような無知な者にも合わせた話をしてくださり、『週刊誌の対談も読んでいるよ』とも言われた。おおらかな方というのが第一印象だった」

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