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【Dr.國井のSDG考~置き去りにしない社会を目指して(5)】(中)ゲスト・土井香苗氏 「当事者」の声を届けるために

対談する医師の國井修さん(左)と国際人権NGO「ヒューマンライツウォッチ(HRW)」日本代表の土井香苗さん(松本健吾撮影)
対談する医師の國井修さん(左)と国際人権NGO「ヒューマンライツウォッチ(HRW)」日本代表の土井香苗さん(松本健吾撮影)
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 「世界エイズ・結核・マラリア対策基金(通称・グローバルファンド、GF)」の戦略・投資・効果局長を務める医師の國井修氏が、誰も置き去りにしない社会について会いたいゲストと対談する企画の5回目は、HRW日本代表の土井香苗氏を招いた。(中)では人権団体の活動の実態や、日本と米国の寄付文化の違いなどについて語り合った。

 國井 人権問題の解決には、どんなアプローチをすればいいのでしょうか。

 土井 至難の業です。私は難しいとやる気になるタイプですが、それだってひとりでやっていたらくじけてしまう。人権運動のすばらしさは、世界中に共鳴する仲間がいること。そして理念が正しいこと。仲間がひとりでもいれば人は立ち上がれる。国外の人権活動家の中には、逮捕・投獄などの危険にさらされている人も少なくありません。私は海外の人権問題にも取り組んでいますが、苦境にある海外の人権活動家をひとりにしないよう支えることにも価値があるんです。

 國井 なるほど。その「共鳴」よくわかります。われわれの分野でも、HIVや結核などに感染した人が差別や偏見を受けて、治療や予防サービスが彼らに届かないことがある。彼らの命を守り、健康を取り戻すためにも、当事者が受けている差別や偏見、抑圧や迫害といった人権問題をよく理解して、対処法を考えないといけないんですね。すぐに当事者に声をあげてもらうことは難しくても、当事者に届くようなアウトリーチ・サービスを提供したり、友達を助けたいピアの人たちをサポートしてネットワークや組織づくりを支援したり。政治家や行政官へのアドボカシー活動をして、時にはその国の法律を変える支援もします。特にエイズでは、LGBTの人々にサービスを届ける必要があるのですが、彼らを法律で犯罪人扱いする国も多いです。これに対しては、国際機関やNGOなどと一緒に国に圧力をかけたりもしますね。

 土井 すばらしいですね。人権NGOが声をあげるのは当然視されるところもありますが、普段は声をあげない医療関係者や人道団体が声をあげると、その声はとても重く受け止められると思います。HRWとしても、同性愛が犯罪の国でアドボカシーが難しい国がいくつもあるので、小さなグループをサポートするところから始まり、国際的な人権運動として仲間を見つけたり自分たちが仲間になったりします。

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