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苦闘する女性の群像、力強く鮮やかに 仏作家レティシア・コロンバニさん 

邦訳された仏作家、レティシア・コロンバニさんの小説
邦訳された仏作家、レティシア・コロンバニさんの小説

 社会の周縁に追いやられた人々や苦境を生きる女性たちの「声」を力強くも温かく描き出す。フランスの作家、レティシア・コロンバニさん(44)はそんな作風で読者をつかんでいる。6月に邦訳が出た『彼女たちの部屋』(齋藤可津子訳、早川書房)は実在する女性保護施設をめぐる長編小説。メールでの取材に「連綿とつながる女性たちの生を通じて施設の歴史を語ろうと思った」と振り返った。(海老沢類)

 映画監督や脚本家、女優としてキャリアを積んできたコロンバニさんが作家への転身を飾ったのは2017年、40歳を過ぎてからだった。暮らす国も境遇もそれぞれに異なる3人の女性の苦闘を見つめるデビュー小説『三つ編み』(早川書房)は、性被害を告発する「#MeToo」運動の広がりを背景に、本国で120万部のベストセラーに。32の言語に翻訳され、日本でも版を重ねている。

 「私は脚本よりも自由に書ける別の形式がほしかったのです。脚本は読むためのものではなくて撮るためのもの、という意味で作品とは言えない。そこには製作上の、映画業界の制約がある。10代のころ詩を書いていたので『言葉の音楽』が恋しくなった。小説を書くことに大きな自由を見いだしたのです」

 2作目となる小説『彼女たちの部屋』でも現代と過去のパリを舞台に、やはり「自由」を希求する女性の群像を描く。主人公は有名法律事務所で働いていた弁護士のソレーヌ。依頼人が自殺したショックで鬱状態に陥った彼女は、「女性会館」でのボランティアを始める。戦争や家庭内暴力から逃れてきた者、元路上生活者…。そこは差別や貧困に苦しむ女性を受け入れるシェルターだった。

 そんな入居女性に寄り添うソレーヌの姿と、約100年前にこの会館創設に奔走した女性の歩みを交互に語り、尊厳を勝ちとるために闘う女性の時を超えた連帯と希望を浮かび上がらせる。何の落ち度もない人々を排除する社会のありようを静かに告発しながら。

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