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【正論9月号】チャイナ監視台 五つの火薬庫と五発の爆弾 産経新聞台北支局長 矢板明夫

尖閣諸島。手前から南小島、北小島、魚釣島=沖縄県石垣市(鈴木健児撮影) 
尖閣諸島。手前から南小島、北小島、魚釣島=沖縄県石垣市(鈴木健児撮影) 

 ※この記事は、月刊「正論9月号」から転載しました。ご購入はこちらをクリック

 武漢ウイルスの感染拡大などで中国に対する風当たりは強まるばかりです。国際社会から浴びせられるいろいろな批判にも中国は居丈高に振る舞って顰蹙を買っています。中国は国外に五つの火薬庫を、国内には五発の爆弾を抱えているのです。今月は中国が直面する現実と置かれている状況について解説します。

 その前に、まず東シナ海の尖閣諸島について考えたいと思います。尖閣諸島では中国海警局の公船が周辺水域、領海内に侵入する出来事が九十日以上続いています。これほどの長期に及んだことは過去ありません。注意が必要なのは、周辺水域で日本漁船を追尾し、監視するような動きが出てきたことです。

 こうした挑発行動は今までありませんでした。尖閣をめぐる緊迫のレベルは間違いなく上がりました。中国の狙いは尖閣諸島に対する日本の実効支配を切り崩すことで、そのための既成事実を積み上げているのでしょう。

 日本の領海や周辺海域に中国海警局の公船が侵入する事態が常態化し、海上保安庁の船よりも中国の船が闊歩し、そこに日本の漁船が立ち入れない。島に漁船が近づこうものなら中国公船に追尾され、追い出されてしまう。問題はこうした状況が半年、一年と続いた場合、「尖閣諸島が日本の実効支配下にある」といえるのか。そうした主張は、怪しくなってしまうでしょう。それこそが、まさに中国の狙いなのです。 尖閣に日本の実効支配が及んでいない。そうなると、日米安保条約は発動しません。米軍が出てこなければ中国にとって恐いものがなくなりますから重大です。中国が目指していることは、尖閣有事の際に日米を切り離すこと、連携対処ができない状況を作り出すことでしょう。尖閣を奪いとるための重要なステップであることは間違いありません。いずれ中国が日本側の抗議など全く意に介せずに「尖閣実効支配宣言」などを出す可能性だって否定できません。

台湾は尖閣をどうみているか

 ではこうした尖閣諸島の問題を台湾はどうみているか。台湾も尖閣諸島について領有権を主張しています。六月二十二日に沖縄県石垣市議会が尖閣諸島の住所地の表記を「登野城」から「登野城尖閣」に変更するよう議決しました。これは日本の行政権が尖閣に明確に及んでいることを示していますが、これに台湾で抗議の声が広がったのです。

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