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【この本と出会った】『超読書体験 上・下』 花まる学習会代表・高濱正伸 人生に真摯な青年の匂い

「超読書体験」(コリン・ウィルソン著)書影
「超読書体験」(コリン・ウィルソン著)書影
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 書物への深遠なといえるほどの見識と愛情を感じるし、一冊一冊を「古典でございます」とあがめ奉るのではなく、自分の等身大の人生に引きつけて見切り、評価し意見を加えていく。その一言一言がナイフを想像させるほどに鋭く、危うくもあり、つまりは面白いのだ。

 「サルトルやカミュやハイデガー同様、ドストエフスキーの哲学にも間違いがあまりにも多くて、それが私には我慢ならないのだ」という一文で、この書に充満する匂いは伝わるであろう。自信家で、しかしどこか不器用で青臭く、人生に真摯(しんし)に取り組んでいる自負を持った青年の匂い。

 私は「親友がいる」と感じた。不良で先生ににらまれてもいるが、本当は抜群に頭が良くて、気が合うし、エロ話で笑い転げながらも人生を語り合いたい高校時代の友のようだと。

 今は会社を経営し、しがらみにまみれているが、たまにこの本を読むと、ただ人生をよく生きたいとのたうっていた頃の、純粋な感覚を取り戻せるのだ。コリン・ウィルソン著、柴田元幸監訳(学研M文庫・絶版)

【プロフィル】高濱正伸

 たかはま・まさのぶ 昭和34年、熊本県生まれ。東京大学農学部卒業、同大学院農学系研究科修士課程修了。花まる学習会代表、算数オリンピック作問委員。『メシが食える大人になる! よのなかルールブック』など著書多数。

 『超読書体験』は学研M文庫から平成12年に刊行。現在は絶版だが、中古本が流通し、図書館で読める。英国人評論家、コリン・ウィルソンが自身の礎を築いた読書遍歴を紹介。著者ならではの斬新な読み方を披露している。

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