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【この本と出会った】『超読書体験 上・下』 花まる学習会代表・高濱正伸 人生に真摯な青年の匂い

高濱正伸・花まる学習会代表
高濱正伸・花まる学習会代表
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 三浪四留。四字熟語ではない。大学に入るのに3回落ち、入学後も4回留年したという、私のロクでもない青年時代である。浪人中は勉強から逃げ回ってパチンコ・マージャン・女の子にのめり込み、大学時代の20代は音楽だ、落語だ、本だ、芝居だ、絵画だ、映画だと、次から次に何事かにハマり続けていた。はた目にはダラシないながらも、その芯は、感動と真実を求める日々で、長い日記を書き、本人なりに真剣であった。

 哲学だけに丸々1年没頭していたこともある。時はバブル、浮かれて踊る同世代を横目に朝から牛乳配達、午前は哲学、午後は同じ志の同級生と議論…。粗食でも楽しく充実していた。このとき構築した哲学は、今日に続く土台にもなっている。

 「自分が今やりたいこと」にのめり込む、そんな自由な日々は、しかし、だんだん孤独になる。現役で省庁に入った友人からは「高濱みたいなのが、この国をダメにするんだよ(ちゃんと就職して働け)」と、愛情を込めて叱られたこともある。

 自分としては、人生は一度きり。ただ後悔だけはしたくない。その時その時の一番やりたいことにこだわっていただけだし、医師や公務員という準備された安定コースが「妥協」に見えていた。今思えば増長した勘違いも甚だしいが、当時は真剣だったのだ。

 そんな少々偏った青年にとって、映画で言うと『タクシードライバー』、音楽ならジョン・レノンのソロアルバム、落語は志ん生…。評論だったら、コリン・ウィルソンであった。

 コリン・ウィルソンはずっと読み続けてきたが、なかでも『超読書体験』という2冊組みは印象深い作品だ。ニーチェ、プラトン、モーパッサンといった、古今の偉人とみなされる人物たちの作品や思想を、一言で言えば「ぶった切っていく」読書&哲学論である。

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