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【正論9月号】「ヘイト認定」が暴走 フジ住宅訴訟判決を解説 産経新聞大阪正論調査室長 小島新一

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 ※この記事は、月刊「正論9月号」から転載しました。ご購入はこちらをクリック

 世界はいま、「言論の自由」、そして「思想」「表現」の自由をめぐって、大きな岐路に立っているのではないか。中国が六月三十日に施行した香港国家安全維持法(国安法)に、そんな強い危惧を抱かざるをえない。

 国安法は、外国人の中国国外での言動にも適用される(つまり全人類が対象)。さらに、香港だけではなく、中国が無法かつ一方的に領有権を主張する尖閣諸島や、統一のため武力行使も辞さないとする台湾についての言動も適用対象となる。

 今後、中国と取引したり人材を受け入れたりしている国内の企業・大学で、尖閣や台湾、そして中国についての言動に注意喚起する動きが広がるかもしれない。中国人の経営者や上司の前で、「尖閣は日本の領土」と主張できなくなる日がくるかもしれない。

 「言論の自由」が前代未聞の規模で侵されようとしている。そんな流れに大きく棹さし、加担するような出来事があった。七月二日、大阪地裁堺支部で出された民事訴訟の判決である。

 訴訟は、大阪府岸和田市の不動産会社「フジ住宅」に勤務する在日韓国人の女性が、「職場で特定民族への差別を含む資料を配布され精神的苦痛を受けた」などとして同社と同社会長に三千三百万円の損害賠償を求めたものだ。

 原告女性側は、(1)文書配布のほか(2)教育委員会の開催する教科書展示会で特定の教科書の採択を求めるアンケートの提出を強いられた(3)原告が提訴後、社内で原告を批判する旨の文書が配られた--ことで、人格権や人格的利益が侵害されたと主張。 フジ住宅側は、(1)~(3)すべてに反論して訴えの棄却を求めたが、中垣内健治裁判長(森木田邦裕裁判長代読)は三点のいずれにも違法性を認定、同社側に計百十万円の支払いを命じたのである。

 以下、本稿では社会的影響が大きいと思われる争点(1)について取り上げたい。(2)(3)は業務遂行系統など企業内部の個別事情も関わっており、ここでの言及は避ける。個人差別ではないが…

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