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【写真集】『東京、コロナ禍。』初沢亜利撮影 日常の激変ぶり、つぶさに

「東京、コロナ禍。」
「東京、コロナ禍。」

 恐らく、コロナ禍をずばりテーマにした写真集は初。

 訪問者の立場でイラクや北朝鮮、沖縄などに肉薄し高く評価されてきた写真家が、身近な東京を再び写し始めたのは今年の初め。オリンピック・イヤーの首都を撮る思惑は、期せずしてウイルス感染拡大に右往左往する人々、閑散とした街、日常を取り戻そうとする市井のしたたかな営みを、後世へと残す仕事になった。

 2月、クルーズ船集団感染直後の東京駅喫煙所。4月、黙々と働くコンビニの外国人店員。5月、深夜営業をして近隣住民に通報されたバー。6月末、閉店した老舗ホストクラブ…。緊急事態宣言後も写真家は路上を歩き回り、ステイホームの中で皆が知らなかった「東京」の諸相を批評的にすくい上げた。

 時系列に142点を掲載。「『コロナ時代』『ウィズコロナ』に移行する過渡期の貴重な記憶として、あるいは、日常が帰ってきたころ、パンデミックへの備えを喚起する装置として読んでもらえれば」と担当編集者。報道写真とも違う、美的な表現やユーモアも交えつつ、日常の激変ぶりをつぶさに伝える。この張り詰めた空気を、なつかしく思い返す日は来るのだろうか。(柏書房・1800円+税)

 黒沢綾子

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