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【本ナビ+1】作家・北康利 邪道の戦いに備えよ

『現代戦争論』
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 □『現代戦争論-超「超限戦」』渡部悦和、佐々木孝博著 (ワニブックス「PLUS」新書・1200円+税)

 現代の戦争はすべての境界と限度を超えた“超限戦”で行われる。あらゆる領域が戦場となり、すべての兵器と技術が組み合わされ、軍事と非軍事、軍人と非軍人という境界がなくなる。戦場は陸海空、宇宙といった目に見える場所だけでなく、サイバー、電磁波、情報、制脳、アルゴリズム(AI)のほか、技術、金融、メディアなど、目に見えない分野も含まれる。

 手段を選ばない超限戦に対し、スパイ防止法もなく、専守防衛、防衛予算枠と限界だらけのわが国は、今のままでは勝負にならない。超限戦は詰まるところ邪道であり、一時的成功しかもたらさない。わが国は王道を歩むべきだと著者はいうが、一方で超限戦への備えは必要だ。

 サイバー戦一つ取っても、わが国は悲しいまでにカモネギ国家になっている。情報は抜かれ放題で、安全保障を含むサイバーセキュリティー全体を所管する官庁も持たない。米中技術覇権争いがすでに進行中である中、わが国もAI関連予算と人材の確保、官民連携は必須であろう。加えて情報戦、とくに影響工作への対応は喫緊の課題だ。

作家、北康利氏
作家、北康利氏
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 その意味では、今回の新型コロナはすでに超限戦といえる。本書でも触れられている中国のイタリアでの情報操作や最近報じられたロシアのコロナ研究機関へのハッキングなどはその典型だろう。

 膨大なプロパガンダ、偽情報を分析するだけでも、どの国がどんな影響工作を仕掛けているかがわかるはずだ。一方で、コロナ対策における台湾の民主主義モデルの成功からは、超限戦に勝利するヒントも見えてくる。

 元自衛隊幹部の著者たちが現場で抱いた危機感をわれわれも共有し、国民一丸となってこの戦争に備えねばならない。

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