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【編集者のおすすめ】『夏空白花』須賀しのぶ著 高校野球という希望を実感

『夏空白花』須賀しのぶ著
『夏空白花』須賀しのぶ著

 新型コロナウイルスの影響で、全国高校野球選手権大会が中止になりました。大会を目標と定めてきた球児の気持ちを考えると、かける言葉が見つかりませんが、甲子園で高校野球が当たり前に行われている、ということがどれだけ幸せな日常であったのかをあらためてかみしめます。

 かつて戦時中も高校野球が途絶えたことがありました。太平洋戦争が激化し、甲子園はおろか高校野球大会が絶えてしまったのです。須賀しのぶさんの『夏空白花』は、戦争で失われた高校野球大会を復活させた男の熱いドラマを描いた歴史小説です。

 敗戦翌日、とある男が放った言葉-「全てを失った今だからこそ、未来を担う若者の心のために、『高校野球大会』を復活させなければいけない」。

 その言葉に心動かされた主人公は高校野球復活を目指して奔走しますが、GHQの厚い壁が立ちふさがり…。

 高校野球という存在がどれほど人々の希望たりえたかを実感するだけでなく、高校野球の「特異性」にも切り込んだ、読み応えのある作品です。

 著者の須賀さんは『また、桜の国で』で第156回直木賞候補にノミネートされ、骨太な歴史小説に定評があるだけでなく、「雲は湧き、光あふれ」シリーズなど高校野球をテーマにした青春小説も数多く手掛けています。

 歴史と野球という須賀さんの二つの道が交じり合った渾身(こんしん)の作品です。この特別な夏にこそ読んでいただけると幸いです。(ポプラ文庫・780円+税)

 ポプラ社一般書事業局 森潤也

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