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【AYA世代の日々 がんとともに生きる】(14)「経験を価値に変える」 谷島雄一郎さん

がん経験者が集まる場作りなどさまざまな活動をする谷島雄一郎さん(南雲都撮影) 
がん経験者が集まる場作りなどさまざまな活動をする谷島雄一郎さん(南雲都撮影) 
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 15~39歳頃までの思春期と若年成人(Adolescent and YoungAdult)を指すAYA世代。この世代のがん患者には進学、就職、結婚など中高年とは違った課題が存在する。会社員の谷島雄一郎さん(43)は長女が誕生する直前、34歳でGIST(ジスト)(消化管間質腫瘍)と診断された。がん経験を価値あるものにしたいと願い、そのためのプロジェクトを続けている。(加納裕子)

 診断は会社の健康診断がきっかけでした。平成24年8月に長女が生まれる予定で、生命保険を手厚くするために6月、早めに健診を受けたんです。胸部レントゲンで「昨年と臓器の位置が違う」と言われて念のためCT検査を受け、食道に8、9センチの腫瘍が発見されました。

 GISTは10万人に1人といわれる希少がんです。ショックはあったけれど、人生にはそういうことはあるのかなとわりと冷静に受け止めました。生まれてくる子供の存在、守るべきものがあることも大きかった。後悔のないよう、最良の治療法を見つけて生きるんだと妻と誓いました。

 5つくらいセカンドオピニオンを受けた後、抗がん剤で腫瘍を小さくしようとしましたが効果がなく、12月には肺への転移が見つかりました。翌年1月に手術で食道の全てと肺の一部を摘出しました。1年後に再発し、別の抗がん剤を試しましたが心臓への副作用が出て中止に。ここで標準治療は終わり、転移のたびにラジオ波焼灼(しょうしゃく)術や手術をしたり、治験に参加したりしながら今にいたります。

 転移を繰り返して標準治療がなくなる中で、僕は自分の価値を見失いそうになりました。怒りやくやしさもあり、どこかに救いはないかと思いました。そんなとき、3歳だった長女が撮った写真に感動したんです。大人が気づかないような高さに咲く花や迫力のベンチなど、地上80センチの彼女の景色があった。だったら、がんになった自分だからこそ見える景色もあり、それを誰かを幸せにする価値に変えられるんじゃないか、と気づきました。

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