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【話の肖像画】セブン&アイHD名誉顧問・鈴木敏文(87)(11) 商慣習変えた「小口配送」

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昭和51年5月にセブン-イレブン100店出店を記念した式典で講演する
昭和51年5月にセブン-イレブン100店出店を記念した式典で講演する

  《昭和49年5月、新たな小売業態のコンビニエンスストア、セブン-イレブン1号店を東京都江東区に誕生させた。個人商店規模の店内に3千品目もの商品が並ぶ、これまでにない店舗だった》

 卸売業者が商品をどんどん店に持ってくる。1箱でいいのに、2箱、3箱と持ってくるから、在庫が積みあがって(店長など)自分たちの居場所がなくなってしまっていると連絡があった。

 当時の商慣習では、どの商品でも仕入れ時の最小単位(ロット)は多くて、売り切らないと次の仕入れができなかった。だから売れる商品は欠品し、売れない商品は在庫として積みあがる。商品点数が多くて狭小な店舗で、従来の商慣習のままで始めたから在庫管理に問題が出た。在庫をどうすればいいのか、われわれの考えが及んでいなかったのが原因だった。

 それで仕入れロットを小さくした上で配送してもらう「小口配送」をお願いした。不良在庫の山を作らないためには、そうするしかなかった。今になってみればどうってことないことに聞こえるだろうけれど、当時とすればとんでもないお願いごと。説得して、徐々に何とか引き受けてもらった。

 《チェーン展開に向けた店舗開発では、セブン-イレブン独自ともいわれる、地域内に集中して複数店舗を展開する「高密度多店舗出店(ドミナント)」戦略が誕生したのもこの頃だ》

 新店舗の開発担当者には江東区から一歩も出ないように指示をした。世の中には知られていない店だったから、限られた地域に集中して店があれば地域内の認知度は高まる。さらにエリアを集中して複数の店舗があれば、小口配送もしやすくなる。1号店が酒屋さんからの転換だったし、最初は酒屋を中心に回ったが知名度もなくて相手にされない。店舗開発の担当者はかなりつらい思いをしていたが、そこは変えなかった。

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