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【見えない性被害】(上)「逆らえない」教員の立場悪用 子供守る制度創設を

保育・教育現場の性犯罪の防止に向けた制度の創設を求めるNPO法人「フローレンス」の駒崎弘樹代表理事(右)ら=14日、東京・霞が関の厚生労働省
保育・教育現場の性犯罪の防止に向けた制度の創設を求めるNPO法人「フローレンス」の駒崎弘樹代表理事(右)ら=14日、東京・霞が関の厚生労働省
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 小学5年の娘を持つ女性は今、苦しみの中にいる。今年に入り、娘が3年の頃、当時担任だった男性教諭から性暴力被害を受けていたことを知ったからだ。

 休み時間や放課後になると、教室で男性教諭に呼ばれ、この教諭の机のそばで下半身を触られていた。卑劣な行為は他の児童たちもいる中で行われていたといい、回数は「数えられない」と娘は説明した。他の児童たちも被害に遭っているのではないか、との訴えもあった。

 男性教諭は年度途中に突然休職(後に懲戒免職)になったが、理由が公表されることはなく、娘の被害を知ったのは同級生の母親からの情報提供だった。女性は「学校側は被害に遭った子供たちがいることを疑いながら保護者への報告や説明を一切せず、個別対応で済ませてきた」と学校側を非難する。

 信じがたいことは他にもあった。学校側の説明では、この男性教諭は娘の担任をする前の年度にも、受け持ったクラスの女児の体を触る不適切な行為があったとして問題視されていた。だが学校側は「指導力のある教員」などと評価しており、翌年度も担当する学年を変えて、担任を続けさせていた。

 「被害当時、娘は自分がされていることの意味が分からず、抵抗することもできなかった。ましてや加害者が担任の先生。言うことに従うのが正しいとされる人からの被害の場合、逆らうのは非常に難しい。教諭はそのことを十分に分かった上で、巧妙にわいせつ行為を重ねていた」。女性は憤りを隠さない。

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 保育の現場でも性暴力被害は深刻だ。新型コロナウイルス感染拡大の影響で今春、長女(5)の通っていた保育所が休業になったという母親の場合、仕事を続けるため、ベビーシッターの男性を自宅に招き入れたのが悲劇の始まりだった。

 男性に依頼したのは計8回。毎回、業務中の長女たちの様子をにこやかに報告してくれた。ところが、仲介業者から突如、「男性は今後、サポートできなくなった」と告げられた。理由は「個人情報」とされ、教えてもらえなかった。

 長女は残念がるだろうと思っていたが、男性が来られなくなったことを伝えると安堵(あんど)した様子を見せた。嫌な予感を覚え、詳しく聞いてみると、公園のトイレなどで下半身を触られていたと打ち明けられた。

 男性は後に強制わいせつ容疑で警察に逮捕されたが、「娘の心の傷はいかばかりか」と母親はおもんぱかる。「大人になるにつれ、自分がされた行為の意味が分かってくる。思春期になったときに精神的な問題を抱えたらと思うと恐ろしい気持ちでいっぱい」と苦しい胸の内を明かした。

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