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【ビブリオエッセー】ささやかな喜びを見つけよう 「少女パレアナ」エレナ・ポーター著 村岡花子訳(角川文庫)

 今、世界中の人々がコロナ禍の収束という同じ願いを抱いて生きています。厳しい状況は続き、国によって現況は異なりますがここでは世界がひとつになれるという期待もあります。こんなとき、『少女パレアナ』を再び手にして元気であることの喜びを感じています。

 私が慣れ親しんだのは村岡花子さんの翻訳されたこの本です。ポリアンナとも訳されていますが、何があってもくじけない少女の物語です。

 両親を亡くし叔母、ミス・パレーの家に引き取られた11歳の少女パレアナは最初、殺風景で小さな屋根裏部屋をあてがわれます。厄介者扱いでした。でもパレアナはこう考えます。「鏡のないのも嬉しいわ。鏡がなければ、ソバカスも見えませんものね」。パンと牛乳だけの夕食にも「あたしはパンと牛乳が好きなんですもの。…喜んだって悪くはないでしょう」。

 つらい境遇のなかでも「喜び」を見つけようと努力するパレアナ。それは父が教えてくれた「『なんでも喜ぶ』ゲーム」でした。笑顔を絶やさない、輝く明るさ。人との交流を避けてきたペンデルトン氏の心を開き、叔母さんや周囲の人々の心にも喜びが広まってゆくのです。楽観主義で生きられるほど世の中あまくはないと思う方もおられるでしょう。ただ私たちは日常に不満がいっぱいあり、ちょっとしたことに喜びを見つけるのがへたです。喜びを見つけることが得意な人ほど幸せになれるのでは。

 私は老人施設でささやかなボランティア活動をさせてもらって30年になります。名前は「パレアナグループ」。メンバーは少し年齢も重ねてきましたが、もう少し頑張ろうと励まし合っています。喜びをみなさんと分かち合えたら最高です。パレアナに負けてはいられません。

 大阪府河内長野市 中畔美代子 77

 【ビブリオ・エッセー募集要項】本に関するエッセーを募集しています。応募作品のなかから、産経新聞スタッフが選定し、月~土曜日の夕刊1面に掲載しています。どうか「あなたの一冊」を教えてください。

 投稿はペンネーム可。600字程度で住所、氏名、年齢と電話番号を明記し、〒556-8661産経新聞「ビブリオエッセー」事務局まで。メールはbiblio@sankei.co.jp。題材となる本は流通している書籍に限り、絵本、漫画も含みます。採用の方のみ連絡、原稿は返却しません。二重投稿はお断りします。

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