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【話の肖像画】セブン&アイHD名誉顧問・鈴木敏文(87)(9)コンビニ展開へ奮闘

 0・5%と1%。それはもう、けんかのような交渉だよ。サウスランドはカナダなどの地域FCに対しても1%を取っていたからね。僕はね、「(1%を取っていたのは)英語の通じる英語圏や陸続きの地域でしょう。日本は離れている」とあんまり論理的ではないんだけど、そういう主張もした。他にも「この事業をなんとしても成功させたい、ロイヤルティーを下げても事業が成功すれば目的に沿うはず」と主張した。決裂覚悟で交渉した結果、何とか譲歩してもらって0・6%で妥結した。サウスランドはその後の日本での発展ぶりにびっくりしていたな。日本でいろんなノウハウ、優れたものを作ったからね。

 《その年の11月30日、コンビニ事業を日本で展開する技術導入のための契約が交わされた。契約後、サウスランドの研修センターでの研修に参加するが、その内容にあぜんとすることになる》

 いやもう、しまったと思ったよね。研修内容があまりに初歩的なことばかりで、まるで素人集団。これは失敗だと。僕は米国のセブン-イレブンに対し、小型店として大型店がある場所でも存続する点に魅力を感じていた。それには確かなノウハウがあるはずと考えていたが、それはこちらの思い込みだった。

 実際に提携して、研修で27冊の経営マニュアルが開示されたが、ノウハウというものはなく、レジの打ち方、人の採用の仕方などの説明ばかり。冗談じゃないよ、と感じた。最終的に取り入れたのは、本部と加盟店の間で粗利益を分配する会計システムくらいだった。(聞き手 日野稚子)

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