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【理研が語る/科学の中身】科学と医療をつなぐのは?

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 私は約2年半前から、医師として理研で研究をしている。あえて医師として、というのには理由がある。私は「臨床橋渡しプログラム」の研究員として、科学の成果を医療につなげるための研究を、医師としての経験をもとに行っており、その点で他の研究者とはやや異なる立ち位置といえるだろう。

 常に自らに問うのは、「科学と医療をつなぐのは?」という課題である。その一つの答えは、私が現在主に研究しているiPS細胞なのかもしれない。

 私が心臓血管外科医としての修行をいったん中断して大学院生として研究を始めたのは、ヒトのiPS細胞が報告された翌年であった。機会を得てiPS細胞の研究を始めると、その魅力にとりつかれた。

 心臓は心筋梗塞などの病気で一部を失ったのち、自ら再生する能力が低いため、心臓の一部をiPS細胞から再生させることで失われた部分を取り戻すことができれば、新しい治療(再生医療)になりうる。

 また、心臓病の患者さんからiPS細胞をつくり、心臓の一部にすることで病気を体の外で再現しうる。ということはその病気に効く薬の開発にもつながるということで、医療における意義は大きい。

 iPS細胞は、からだを構成する細胞に遺伝子導入することで、得られる。これは生命の発生の道筋を逆回しにすることができるという偉大なる科学の発見だが、先に述べたように医療にとって多くの良い点をもつ発見でもある。ただし、医療へとつなげるための努力がないと、なかなか一筋縄で病気の治療につながるものではなく、ここが難しい。

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