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天敵不在のカミツキガメ、千葉県内に推定6500匹

 千葉県の佐倉、印西、成田、八千代の4市と栄町にまたがる印旛沼の周辺で繁殖し、生態系や人への被害が懸念される特定外来生物「カミツキガメ」の令和元年度末の推定生息数は約6500匹だった。同県生物多様性センターの調査で判明した。これまでの推定数約1万6千匹を大きく下回った。センターは新たな防除計画を策定し、カミツキガメの捕獲に向けた取り組みをさらに進める。

 センターは平成27年度に生息数を約1万6千匹と推定。それに基づいた同29年度から3年間を「戦略集中実施期」と位置づけ、各年度2500匹の捕獲が必要と試算した。実際の捕獲は29年度は1429匹▽30年度は2259匹▽令和元年度は1597匹だった。

 捕獲は平成19年度から行われ、詳細なデータが得られてきたことから改めて生息数を推計した。その結果、現状の推定生息数は約6500匹で、捕獲目標も今年度は1280匹で十分と判明した。戦略集中実施期の成果や、29年にカミツキガメの捕獲を担当する専門職員を採用するなどしたことで、生息数が着実に減ってきたとみられる。

 「これまで分からなかったカミツキガメの生態が分かってきたことも大きい」とセンターの担当者。具体的には、水温が高い活動期の夏場だけでなく、越冬期の冬場にも捕獲できるようになった▽印旛沼や流れ込む河川だけでなく、上流部や小さな水路にもいるなど新たな生息域が分かった▽捕獲したカミツキガメに小型発信器を付けて調べた結果、多くのカメは水路沿いに400メートルほどしか移動しておらず、わなを効率的に設置できた-などだ。

 だが、油断は禁物だ。カミツキガメには天敵がおらず、雑食で繁殖力は強いため、一定数の雌を捕獲し続けなければ、生息数が回復する可能性が高い。センターの試算でも今後、雄雌合計で年1280匹以上捕獲しなければ生息数の減少にはつながらず、雌の捕獲が年350匹にとどまれば、生息数は緩やかに増加する可能性もあるという。

 センターの担当者は「これまで以上に力を入れて、カミツキガメの根絶に向けた取り組みを続ける」と話している。

 ■カミツキガメ 北米~中南米が原産の大型のカメ。国により特定外来生物に指定され、飼育や輸入が禁止されている。成長すると甲羅の長さが約50センチ、体重が約35キロにもなる。国内で唯一繁殖が確認されている千葉県の印旛沼周辺では昭和53年に初めて発見された。

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