PR

ライフ ライフ

オンライン授業、準備加速も課題山積 新たな学力格差リスク、健康被害の懸念も

その他の写真を見る(1/2枚)

 東京都などの都市部を中心に再び新型コロナウイルスの感染が拡大する中、オンライン授業の導入準備に追われる学校現場の課題が浮かび上がってきている。政府は来年4月までに全ての小中学生に学習用の端末を配り終える構想を描くが、教員にとっては教室のように児童生徒への細やかな目配りが難しく、子供の意欲次第で理解度に大きな差が生じてしまう懸念もあるなど、乗り越えるべき問題は多い。(玉崎栄次)

大人数では反応悪い

 「学級や学年を単位とした臨時休校はこれからも十分にあり得る」

 埼玉県立越谷北高(越谷市、松村和則校長)の笠原弘康教頭は、再度の感染拡大に警戒心を募らせつつ、オンライン授業の方法を模索し続けている。

 同校では臨時休校中の4月13日に授業の動画配信を始め、5月末までに計約730本を配信。学習の遅れ解消に一定の効果はあったというが、課題も浮かんだ。例えば、生徒の動向の把握が困難な点。生徒に視聴したかどうかを連絡するように求めたが「十分な返信がなかった」(笠原教頭)という。

 学校再開後の分散登校期間中には、試験的にオンラインの双方向授業も行った。10人規模の少人数では効果的だったが、40人規模の授業では、参加者が多すぎて音声が重なるなどしたため、質問をしても生徒の反応が悪くなったという。

 オンライン授業で使うテレビ会議システムをめぐる課題は、小学校からも聞かれる。首都圏の小学校で低学年を担当する女性教員は「子供が端末操作に手間取ると授業が中断してしまう。授業に取り残されてしまう子供が必ず出るため、手厚い学習指導を必要とする低学年にはハードルが高い」と打ち明ける。

 事実、4月に全小中学校(計134校)に双方向授業を導入した熊本市では、「発達段階を考慮」(市教育委員会)し、対象を小学3年以上に限定している。

ICT活用認識低く

 学校現場でICT(情報通信技術)を活用した指導経験が乏しいことも、オンライン授業導入が低迷する一因となっている。

 経済協力開発機構(OECD)の調査(2018年)によると、日本の中学校で教員が生徒にICTを活用させた割合は20%に満たず、48カ国中、下から2番目。今月10日に公表された文部科学白書(令和元年度版)でも「学校現場にICTを活用するという認識が極めて低い」と指摘されている。

 新型コロナ感染拡大を受け、文科省は全ての小中学生に1人1台のパソコンを整備する「GIGA(ギガ)スクール構想」の達成時期を、当初の令和5年度から今年度中に前倒しして進めている。

 緊急事態宣言時に「特定警戒」とされた13都道府県には8月末までの整備を求め、予算確保だけでなくメーカー側への協力要請や自治体担当者向けの調達説明会の開催など、手厚い支援も行っている。萩生田光一文科相は今月10日の閣議後記者会見で「整備できなければ自治体トップのリーダーシップ不足」と言い切り、達成に自信をみせた。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ