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【話の肖像画】女流囲碁棋士・謝依旻(30)(13)日本に来てよかった

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女流囲碁棋士・謝依旻さん(萩原悠久人撮影)
女流囲碁棋士・謝依旻さん(萩原悠久人撮影)

 《令和元年12月に、公式戦通算400勝を達成した。日本棋院所属の女性棋士16人目で30歳1カ月、プロ15年8カ月での到達は最年少・最速だった》

 5歳で囲碁を始めたときには、ここまで続けられるとは思っていなかったかもしれない。子供の頃はプロになることが目標で、その先のことは想像できなかった。プロになってから意識するようになったのは、対局(結果)だけではなく、普段の生活もちゃんとしなくてはいけない-ということ。囲碁に興味をもってくださる方に、影響を与えることになるかもしれないと。これは先輩方の発言や行動を見て、徐々に身につけてきました。

 プロだから、結果を出すことは大事。スポーツの試合などと違って、普段の対局は無観客ですが、(インターネットでの棋譜配信や観戦記などで)見てくれる人がいないといけません。囲碁はおもしろいですよ-と、より広くお伝えできるのは、プロだからこそです。タイトルを失っても、応援してくださり声をかけてもらえるのはうれしい。ファンの大切さを感じ、励みにもなります。囲碁の楽しさを伝えるのはプロとしての責任と、とくに感じるようになりました。

 《順風だったわけではない。プロ2年目の平成17年後半から半年間、2勝12敗と苦しんだ。立ち直るきっかけは18年春にあった十段戦五番勝負で、記録係を務めたことだった》

 趙治勲(ちょう・ちくん)十段に山下敬吾棋聖(ともに当時)が挑戦したシリーズ。記録係を務めていた向井千瑛(ちあき)ちゃん(現五段)と私に、治勲先生が「僕と打とうか?」と声をかけてくださった。タイトル戦の激闘を終えたばかりでいいのかなとも思ったのですが、せっかくなので打っていただくことに。夕食後、深夜まで4局くらい相手をしていただいた。もちろん治勲先生はお疲れですし、千瑛ちゃんとの(2人を同時に相手する)二面打ちなので真剣勝負とはいえませんが、いい勝負になりました。碁って楽しい、思い切って打てばいいんだ-ということに気づけたのが、その年のタイトル獲得につながったのかもしれません。治勲先生のような立場にはほど遠いですが、いつか自分も後輩たちに何かを伝えられる日が来たら、と考えます。

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