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【近ごろ都に流行るもの】漫画「やめてみた。」 物、人、思考…手放して得る幸せ

「やめてみた。」シリーズ。帯に「25万部突破」とあるが、すでに30万部を突破。1、2巻は文庫化もされている
「やめてみた。」シリーズ。帯に「25万部突破」とあるが、すでに30万部を突破。1、2巻は文庫化もされている
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 これって、本当にいる? 必需品だと思い込んでいたモノ、気が重くなる人付き合い…。やめてみたらモヤモヤが晴れて新しい自分に出合えた。そんな実体験をつづったコミックエッセー「やめてみた。」(幻冬舎)シリーズが3巻30万部突破のヒットを飛ばしている。「時々まんが家 ほとんど主婦」と自己紹介する作者、わたなべぽんさん(45)。自虐ネタをちりばめたゆるいタッチだが、そのベースは、幼少期から抱える自己肯定感の低さによる「生きづらさ」を克服する奮闘記だ。手放すという気付きと勇気が、共感を呼んでいる。(重松明子)

 最新刊「さらに、やめてみた。」は5月末の発売。「コロナ禍の大変なときに、出してよいのか悩みました」と、ぽんさん。不安な出版だったが、「こんな時だからこそ、読んでよかった」との読者はがきが、編集部に多数寄せられている。多くの人が通勤や人との接触をやめることを余儀なくされた、この数カ月あまり。ニューノーマルを模索する心理にも響いたようだ。

 JR西荻窪駅(東京都杉並区)近くの小ぶりながらスッキリ整った自宅マンション。ぽんさんが丁寧にハンドドリップしてくれたコーヒーの香りのなかで、取材が進んだ。

 虐待傾向の母に育てられたぽんさんは、常に「私なんか…」という無力感にとらわれ、生活もすさんでいた。大好きな漫画だけが救いだった。投稿を重ねて平成17年、大手出版社のコミックエッセー新人賞に入賞。デビューを機に、「ダメな自分を変えようと一念発起」し、ダイエットや汚部屋脱出など「自分を好きになる」ための挑戦を描き続けてきた。「やめてみた。」も、この延長線上にある。

 最初のきっかけは夕飯の支度中に炊飯器が壊れたこと。「応急処置的に土鍋を使ったら、あっさりうまく炊けて、炊飯器よりもおいしい!」。自分には炊飯器が不要だったと、目からうろこが落ちた。

わたなべぽんさん
わたなべぽんさん
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 省察は、身の回りの日用品・小物からファッション、人間関係、自身がマイナス思考の元凶と自覚している「考えグセ」などにも深まってゆく。

 苦手な人のいるサークル活動をやめてみたら、ひとりの趣味の時間が充実。遅刻魔の友人との待ち合わせに分刻みの時間設定をやめてみたら、イライラが消えて寛容になれた…。一方、親しい人に「察してほしい」と期待する甘えをやめてみたら、意思疎通が明快になり、ふてくされる悪い癖も消えた。そんな効果・効用がつづられている。

 「私のケースがみんなに有効とは限りません。それぞれの方が、自分らしく生きられるヒントにでもなれば」

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