PR

ライフ ライフ

「憲政の神様」旧尾崎行雄邸が解体危機 住民ら保存運動

解体工事計画が浮上した尾崎行雄ゆかりの洋館=16日、東京都世田谷区(王美慧撮影)
解体工事計画が浮上した尾崎行雄ゆかりの洋館=16日、東京都世田谷区(王美慧撮影)

 「憲政の神様」と呼ばれた政治家、尾崎行雄(1858~1954)ゆかりの洋館(東京都世田谷区豪徳寺)が解体の危機に直面している。譲り受けた都内の工務店が解体工事を行う方針を示したが、地元住民らの反対運動がおこり、中断した。住民らは次の手として、クラウドファンディングなどで支援を呼びかける方針を決定。こうした動きに、小池百合子都知事も「尾崎行雄は第2代の東京市長。みんなで守っていきましょうという運動をサポートしていきたい」と反応し、保存に向け大きく動き出した。(王美慧)

 尾崎行雄は衆議院選挙に連続25回当選し、立憲政治の確立に尽力した。「議会政治の父」とも呼ばれ、洋館は東京市長だった明治40(1907)年ごろに、英国人の母を持つ妻のために東京都港区内に建てた。

 その後、25年以上の月日が流れ、昭和8年に英文学者が譲り受けた。一度解体され、現在の場所に移築。当時の建築様式を映し出す木造2階建ての洋館は、鮮やかなコバルトブルーの外壁が美しく、歴史的建造物として長年の間、地域に親しまれてきた。

 ところが、約3年前にこの英文学者の親族が死去したことから、建物の保存に関して雲行きが怪しくなり始めた。洋館は都内の工務店に売却された。6月下旬に、今月3日からの解体工事を実施する通知が家の前に掲示された。

 突然の知らせに地元住民らが反対運動を本格化させた。工務店に保存を訴える陳情書を送付し、インターネット上では約3600人の署名を集めた。この動きに、工務店側が解体工事を中断。資金面で折り合いがつけば、地元住民らに売却する姿勢を示した。

 保存に向け、邸宅の敷地ごと買い取る案と、洋館をそのまま残し、ほかの場所に移築する2案の検討が進められている。敷地ごとの買い取りが実現すれば、敷地内で洋館をそのままの状態で移動させ、空いた場所に洋館に調和した家屋などを新築する計画だという。洋館は保育園や飲食店などとして活用することも考えており、運動に携わる1人は「公共性を考えながら交渉を進めたい」と語る。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ