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【編集者のおすすめ】『ウイルスと内向の時代』佐藤優著 自粛、制限で利己主義が蔓延

『ウイルスと内向の時代 コロナ後の大転換を国家と個人はどう生き残るか』佐藤優著
『ウイルスと内向の時代 コロナ後の大転換を国家と個人はどう生き残るか』佐藤優著

 □『ウイルスと内向の時代 コロナ後の大転換を国家と個人はどう生き残るか』

 〈本書のタイトルを『ウイルスと内向の時代』としたのは、多くの日本人があまりに内向きになってしまい、他人事(ひとごと)のように政府を批判する状況に筆者が危機感を覚えたからだ〉(本書まえがき)

 佐藤優氏は新型コロナウイルス感染拡大後の「内向」という風潮に着目しました。経済活動の自粛、行動制限で外側に向かうことができない状況下に、人間の精神構造はますます内向きになっていく。やがて自国、自分さえよければという利己的な意識が蔓延(まんえん)し、国際社会では国際協力という思想の喪失、個人レベルでも互助の考えが消えていくという視点です。本書はそうした傾向が国家と個人にもたらす変化を分析しています。

 中国が取った情報隠蔽とおぼしき行動と、収束を極度に強調するプロパガンダ。中国への強硬な批判を今年11月に控える大統領選挙の世論形成に使うアメリカ。医療崩壊したイタリアの患者受け入れを隣国が拒否したことから見えるEUの終焉(しゅうえん)。危機に隠れて外交を動かすロシア。コロナ禍の政局と都知事の目論見(もくろみ)。リモートの浸透で始まる企業の変容と極端な成果主義…。

 くしくもこの時期、米国で起きた警官による黒人男性致死が同国内を分断する様相です。内政の混乱に米国が力の大半を割けば、外交に手が回らなくなり国際秩序はさらに大きく変動する。その影響が日本に何をもたらすか。東京では再び3ケタの新型コロナ感染者が発生しました。刻々と変化する情勢を見定めるためにも必読の一冊です。(徳間書店・1400円+税)

 徳間書店書籍編集局 加々見正史

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