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日本人の月面着陸合意、歴史的一歩へ 求められる計画への貢献

米有人月面着陸機の想像図(ブルーオリジン社提供)
米有人月面着陸機の想像図(ブルーオリジン社提供)

 日本人の月面着陸が現実味を帯びてきた。順調にいけば10年以内に、月面に掲揚された日の丸を見られるかもしれない。実現すれば歴史的な一歩で、国家的な慶事だが、道のりは平坦(へいたん)ではない。

 日本の有人宇宙開発は国際宇宙ステーション(ISS)への参加を通じ、世界的なレベルまで到達した。宇宙飛行士の技能はISSの船長を任されるまで磨かれ、技術力も日本実験棟「きぼう」の建設や物資補給機「こうのとり」の運用などで飛躍的に高まった。

 一方でISSは完成から9年が経過し、老朽化が目立っている。有人探査のフロンティアは月や火星に移っており、日本が存在感を示し続けるためには、日本人による月面着陸が不可欠となっていた。

 宇宙開発への国民の支持を集めるアピール効果も大きい。月面で活動する日本人飛行士の姿は注目を集めるに違いなく、多額の予算を必要とする宇宙開発への風当たりを弱めるだろう。

 月面着陸を実現させる鍵は、国際協力で行う有人月探査計画への目に見える形での貢献だ。共同宣言に盛り込まれた居住棟や月面探査車の開発などは、ISSで培った知見を総動員し、着実に進める必要がある。

 今後も宇宙予算の大幅な増額は期待できない。年間約400億円というISS予算の範囲内で、ISSへの参加を継続しながら新規の開発費を捻出する工夫が求められる。居住棟の開発や物資輸送などはISSとの共通点が多く、開発費の節約につながるはずだ。

 月面に向かう宇宙飛行士の選抜と養成も必要になる。打ち上げ時に求められる飛行経験や年齢を踏まえると、現在の若手3人が有力な候補となるだろう。

 日本人飛行士は最後の募集から10年以上が過ぎ、高齢化が進んでいる。当面は現在の要員で間に合うとしても、月面探査を続けるには若返りが避けられない。新規募集は時間の問題だ。(小野晋史)

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