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【話の肖像画】作家・阿刀田高(85)(11)日本語が生んだ「しゃれ文化」

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かつて自宅の書斎では、本棚が壁を埋め尽くしていた(阿刀田高さん提供)
かつて自宅の書斎では、本棚が壁を埋め尽くしていた(阿刀田高さん提供)

 《国の文化審議会国語分科会の委員も務め、平成17年には文化審議会の会長に就任した》

 国立国会図書館勤務時代に、アルバイトで外国人に日本語を教えていたこともありましたし、国語に興味がありました。

 私が就任したときは、とんでもないことに「審議会が多すぎる」と国語審議会が整理され、文化審議会の分科会の一つにされてしまっていたんです。後に文化審議会の会長も務めましたが、著作権や文化財については分からない。それぞれかなり高い専門性が求められます。本来一緒にしてはいけないものをまとめてしまっていました。

 国語分科会では、文部科学相の諮問を受け、これからの時代に求められる国語力について議論しました。大臣になる人にはそれくらい知っていてほしいというのが率直な思いですし、「読書をしろ」というのがその答えです。言葉が美しくなければ考えが美しくならない。言葉がちゃんと理にかなっていたら、考えは理にかなっている。そのためにはやはり、読書がいい。語彙は増えるし、感性も磨かれる。

 敬語についても話し合いましたが、難しかった。敬語はケース・バイ・ケースのことが多いのです。専門家の意見を聞き、なんとか答申をまとめました。ただ、敬語について学術的に示すことは重要なのですが、だからといって一般の人が敬語を楽に使えるようにはならない。

 たとえば、会社で役員が「さようなら」と部下に告げて出ていったときに、どういう敬語が正解なのか。「さよならでございます」とも言えません。その場に応じて「雨が降りそうですから、お気をつけてお帰りください」と言うかもしれない。別の表現を持ってくるしかない場合もある。成長段階で言語習慣をどう身につけるべきか、という問題なんです。

 常用漢字についても諮問を受け、正月に猛勉強しようとしていたところ、高齢だったこともあり、その直前で任を解かれました。

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