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iPS免疫細胞でがん治療 千葉大など世界初の治験開始

 人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作製した「NK(ナチュラルキラー)T細胞」という免疫細胞をがん患者に移植する治療について、千葉大と理化学研究所の研究チームは29日、世界初の治験を同日付で開始したと発表した。8月にも最初の移植を実施する。

 治験の対象は、舌やのどなどの「頭頸部(けいぶ)」にできるがんで、抗がん剤などの治療効果がなかった20歳以上80歳未満の重い患者4~18人。頭頸部がんの国内患者は数万人とされる。

 治験計画は5月20日に千葉大の審査委員会が承認。同27日に国の審査機関である医薬品医療機器総合機構(PMDA)に治験届を提出し、認められた。

 計画によると、リンパ球の一種で、がん細胞を攻撃する働きを持つNKT細胞を健常者から採取し、iPS細胞を作製。NKT細胞に再び分化させて大量に培養し、千葉大付属病院で患部に移植する。当初は患者1人当たり約1億5千万個の細胞を3回に分けて移植。2年間にわたり治療の安全性や有効性、保険医療として適切かどうかを確かめる。

 本橋新一郎・千葉大教授は「頭頸部以外のがん治療にも幅広く応用できる可能性がある。その最初のステップとなる今回の治験で、安全性を慎重に確認していきたい」と話している。

 NKT細胞を患者から採取して増やし、体内に戻す治療法もあるが、適用できるのは患者の約3割。NKT細胞は体内にわずかしかなく、増やすのに時間もかかる。iPS細胞を使えば大量に作製でき、十分な量で迅速に治療できる。

 NKT細胞はT細胞などに続く「第四のリンパ球」と呼ばれ、理研チームが昭和61年に発見した。多くの免疫細胞が司令塔役の細胞の指示で異物を攻撃するのに対し、指示なしで攻撃。他の免疫細胞を活発化させる働きも強く、高い治療効果が期待されている。

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