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【理研が語る/科学の中身】ナノのチカラ

DNAオリガミで作成したウイルスサイズの人工筋肉の模式図
DNAオリガミで作成したウイルスサイズの人工筋肉の模式図
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 新型コロナウイルスが社会、経済に大きな打撃を与えている。ウイルスは目では見えないため、とても厄介である。どのくらい小さいかというと、100ナノメートルというサイズで、髪の毛の太さの1000分の1くらいしかない。ナノの世界に住む目に見えない存在が、私たちの生活を大きく脅かしているわけで、社会に与える影響にサイズは関係ないことがよく分かる。

 私は「DNAオリガミ」というナノの技術を駆使して、生命の理解や病気の診断、新しい治療法の開発につなげ、社会に貢献しようと日夜励んでいる。

 DNAは、細胞の核の中におさまっている遺伝子の実体となっているひも状の物質であるが、このひもを自在に編み込んでシート構造を作り、さらに折り紙のように折りたたむことで、ちょうどウイルスと同じサイズのナノ構造物を作ることができる。

 いろんな形を作って眺めるだけでも楽しいが、単なるナノサイズのおもちゃではなく、例えばDNAオリガミでウイルスサイズの箱を作って、その箱の中にがん細胞を殺す薬を入れておくこともできる。この箱は、がん細胞にくっつく時だけ箱が開いて薬が放出されるように細工してあるので、正常な細胞は傷つけずにがん細胞のみを殺せるナノマシンとして働く。

 また、DNAで世界最小の人工バネや人工筋肉を設計し、ナノの世界における機械的な力を計り、どのように力が発生するか調べる手法も開発してきた。

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