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【一服どうぞ】人と交わる大切さ 裏千家前家元・千玄室

千玄室さん
千玄室さん

 先月のこの欄で書いた「日常茶飯事」の日常がまた変わろうとしている。4月頃の報道写真には、パリ、ロンドン、ニューヨークといった大都市に人影がまるで写っておらず、建物の中には息を潜めて人々が確かに生活しているはずであるが、それはまさにゴーストタウンの様相であった。日本でも緊急事態宣言が出されたが、これらの国々の施策と異なり、上からの強制または罰則を伴うものではなく、あくまでも国民の自粛を呼びかけるものであった。

 東日本大震災の折にも、パニックにならず整然と列に並び順番を待つ人々の事(こと)が海外で話題になったが、やはり国民性の違いなのであろう。欧州は地続きの為(ため)、古代より領土争いが常に有り、人々はその戦に巻き込まれ、命令に従うという慣習を持っているように思える。

 かたや、米国はいろいろな人種が寄り集まってできた国であるから、上からの強い統率力をもって治めるほかなかったのである。もっとも今の大統領の統率には少々疑問を感じるところではあるが。

 私が特攻隊の一員として戦った戦争では敵が見えていたが、この感染症との戦いは敵が見えないだけに始末が悪い。気付けば、桜花が咲き散り菖蒲(しょうぶ)や杜若(かきつばた)、ツツジの季節も過ぎてしまった。これらを愛(め)でる余裕があった方は少なかろう。皆、生活すること、感染しないようにすることに汲々(きゅうきゅう)としている。

 他人と交わらないのが日常になってきている。家族とともにいられる人は良かろうが単身でいる人は大丈夫なのであろうか。本来、人間は他人と交わり、その中で成長していくものである。今の状況では致し方ないにしても、支障が出ない業種によってはテレワークでの仕事を今後継続していくとも聞く。

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