PR

ライフ ライフ

【ビブリオエッセー月間賞】5月の月間賞決まる 「風が強く吹いている」/大阪府和泉市の門林留理さん 

選考会で応募作品について議論する福嶋聡・ジュンク堂難波店店長(左)と書評家の江南亜美子さん=大阪市中央区(前川純一郎撮影)
選考会で応募作品について議論する福嶋聡・ジュンク堂難波店店長(左)と書評家の江南亜美子さん=大阪市中央区(前川純一郎撮影)
その他の写真を見る(1/5枚)

 本にまつわるエッセーを募集し、夕刊1面とWEBサイト「産経ニュース」などで掲載している「ビブリオエッセー」。皆さんのとっておきの1冊について、思い出などとともにつづっていただき、本の魅力や読書の喜びをお伝えしています。5月の月間賞は、大阪府和泉市の門林留理さん(51)の『風が強く吹いている』に決まりました。プロの書店員と書評家による選考会の様子をご紹介します。(選者=ジュンク堂書店難波店店長の福嶋聡さん、書評家で京都芸術大学専任講師の江南亜美子さん)

■起承転結すがすがしい(福嶋さん)、「雛型のように上手」(江南さん)

 --今回は5月の掲載作です。新型コロナによる自粛真っただ中の時期でした

 福嶋 図書館が閉まっていて、家にある本を読み返したという人も多かったですね。本屋としては困るなあと思いました(笑)。

 江南 自粛を受けて、生活スタイルの見直しが行われているようですね。ビブリオエッセーに寄せられた本のセレクトをみても、古典をひもといたり歴史に注目したりと、コロナ禍での生活が、大きなスパンで自分の生活や生き方を見直す契機になっていると感じます。

 --『方丈記』などがありました。東日本大震災の際も注目されましたね

 江南 先月はまだ、コロナの話題が本文の枕的に使われている感じでしたが、今回はエッセー部分に深くかかわっているものが多かった。実感を伴っているというか。コロナにからめたエッセーが多いのはこの時期ならではの特徴でしょう。

 --コロナというフィルターを通して本を読むということが行われた

 江南 例えば『風が強く吹いている』はエッセー部分の導入がうまい。コロナ状況下での部活の様子に思いを馳せつつ、本の紹介へと続きます。印象的なシーンが描かれて、オチにも現況への不安がにじむ。ビブリオエッセーのひな型のように上手で、まとまりがいいなと思いました。

 福嶋 そうですね。『風が強く-』は起承転結も明確でしっかりしていて、すがすがしさを感じました。『蠅の王』は本の紹介に終始していますが、「それが犠牲者である子供たちの見てきた大人の姿だ」というメッセージ性が明確でした。『海、悲歌、夏の雫など』は短詩形の文学ですが、いい作品を選んで紹介することによってエッセーとしても締まるという好例だと思いました。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ