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【話の肖像画】作家・阿刀田高(85)(6)筆一本、「奇妙な味」で勝負

 「自分の特徴は何か」を考えていたときに、肺結核の療養生活中に山ほど読んだ、欧米の短編小説が頭に浮かびました。日本の小説は私小説的ですが、欧米の小説はフィクション、作り物の面白さを重視しています。ロアルド・ダールやレイ・ブラッドベリといった、「奇妙な味」と言われたしゃれた小説がありますよね。特にダールの『南から来た男』はすごみのあるとんでもない作品です。あの欧米の短編小説が持っている味わいを、日本の風土で書いたら面白いものができるんじゃないかな、と取り組んだのが短編集『冷蔵庫より愛をこめて』です。

 「やりましょう」と編集者に言われてから出版まで1年近くかかり、何回も書き直しました。難産でしたが、自分でも納得できる作品ができ、小説として初の単行本になりました。直木賞の候補にも選ばれたのですが、全く考えていなかったことなので、意外でもありうれしくもありました。(聞き手 油原聡子)

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