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【絵本を味わう 子供とともに】「タンタンタンゴはパパふたり」

絵本「タンゴタンゴはパパふたり」
絵本「タンゴタンゴはパパふたり」

 ニューヨークにあるセントラル・パーク動物園での実話が元になった絵本があります。平成20年にポット出版から刊行された「タンタンタンゴはパパふたり」(ジャスティン・リチャードソン&ピーター・パーネル文、ヘンリー・コール

絵、尾辻かなこ、前田和男訳)です。

 雄ペンギンのロイとシロは、いつからか互いを気に入りカップルになりました。仲間のペンギンたちは巣を作り、やがて雛(ひな)が生まれます。ロイとシロも周りのカップルと同じように巣を作り、拾ってきた石を毎日交代で温めますが、雄同士の彼らに雛は生まれません。

 その様子を見た動物園の飼育員は、産み落とされたままほおって置かれた卵をロイとシロの巣に運び入れました。すると、2羽はタンゴを踊るように息を合わせ、毎日毎日、大切に卵を温め続けました。そして、待望の赤ちゃんペンギンが生まれ、その子はタンゴ

と名付けられました。パパになったロイとシロは、懸命に子育てをし、3羽はすてきな家族になったのです。

 この絵本を読んだ子供たちから、初めは「男同士だから絶対に卵は生まれないよ」という声があがりました。しかし、3羽が寄り添う姿を見て「へ~、パパが2人いんの? 不思議だなぁ。でも、仲良しなんだね」と言いました。

 この絵本は単に同性愛のお話にとどまらず、家族って何だろうという問いを私たちに投げかけます。

 おなかを痛めて産んだわが子に愛情を注げない親がいます。愛し合って結婚したはずなのに、憎み合う家族がいます。

 その一方で、ロイとシロのように同性婚や代理出産、精子提供によって生まれた子供やその家族もいます。社会の変化とともに、家族の在り方はより複雑になっています。

 いわゆる「普通」でなくとも、血はつながっていなくとも、互いを尊重し、信頼し、協力し合いながら子供をいとおしんで育み、家族を作っていくことこそが尊い営みだと気付かせてくれる一冊です。

(国立音楽大教授・同付属幼稚園長 林浩子)

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