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【ビブリオエッセー】学校へ行きたくない日に 『「死ぬんじゃねーぞ!!」いじめられてる君はゼッタイ悪くない』中川翔子(文藝春秋)

 黄色い装丁に手書きの「死ぬんじゃねーぞ!!」と呼びかけの言葉。著者はタレントや声優、漫画家などマルチな活躍で知られる愛称「しょこたん」、中川翔子さん。自身のいじめられた体験を綴った本書はゾッとするほどリアルないじめの実態と、どうにか明日を生きてほしいという切実な思いが込められている。私自身、過去にいじめられたことがあり、当時の暗澹たる気持ちを思い出しながらページをめくった。

 本書にはスクールカーストの中で著者が受けたいじめ体験から、いじめをめぐるインタビュー、いじめ時間の「サバイブ」の考え方などが記されている。些細なきっかけで始まるいじめ、大人たちの裏切り、死にたい衝動、いじめを超えた先の未来まで。「いじめているほうが一〇〇パーセント悪い」という著者の言葉には、学校時代の私も救われたような気がした。

 しかし、本書では、いじめはなくならないという言葉も語られている。いじめはなくならない、だからこそいじめが起きた時どうするかを考えなければならない。大人の存在も大きく関わっている。いじめをなかったことにしたり隠したりすることにより子供は大人に二度裏切られるのだ。学校が世界のすべてである子供を最後に守るのは大人しかいない。関連してSNS教育の必要性も著者は指摘している。

 新型コロナのため休校だった学校が再開された。子供たちはたくさん我慢をし、様々な葛藤を抱えている。多感に揺れ動く子供たちの心に私たち大人がきちんと向き合いたい。いじめで苦しみ、最後に死を選んでしまうようなことがなくなることを願わずにはいられない。著者の「悩む時間は未来の夢の種を見つけるさなぎの時間」という言葉に、希望を感じた。

 静岡県掛川市、抹茶太郎30

 【ビブリオ・エッセー募集要項】本に関するエッセーを募集しています。応募作品のなかから、産経新聞スタッフが選定し、月~土曜日の夕刊1面に掲載しています。どうか「あなたの一冊」を教えてください。

 投稿はペンネーム可。600字程度で住所、氏名、年齢と電話番号を明記し、〒556-8661産経新聞「ビブリオエッセー」事務局まで。メールはbiblio@sankei.co.jp。題材となる本は流通している書籍に限り、絵本、漫画も含みます。採用の方のみ連絡、原稿は返却しません。二重投稿はお断りします。

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