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【風を読む】自学自習力を高めたい 論説副委員長・沢辺隆雄

文部科学省
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 集中力に欠けるのか、原稿を書いていても周囲のひそひそ話や雑談が気になる。先日も同僚が新型コロナウイルスと血液型の関係のニュースを話題にして、つい身を乗り出した。欧州の研究でO型の重症化リスクが低いとの結果が出たという。同僚は上司にも血液型を聞いて回り、早く原稿を書きなさい、としかられていたのは余談。

 雑談でアイデアが湧くこともあるが他人に惑わされず、芯(しん)が通っていることも大切だ。情報にあふれるネット社会では、内省する力も問われている。

 20、21日の土日、高校生らがインターネットのテレビ会議システムを使って社会問題などについて考えるイベントを見る機会があった。日本財団が支援する団体「i Stand」の活動の一環で、グループに分かれ話し合い、小学生にも分かる動画教材をつくる企画だ。コロナ禍の中、「他人の意見を聞く機会」の重要さを語る高校生もいて印象深かった。

 15歳対象の国際学力調査などを行っている経済協力開発機構(OECD)の担当者はコロナ禍の以前から、ネット社会での学びの変化について指摘していたので、改めて紹介したい。かつての勉強法は、分からないことがあれば、専門知識を持った人が書いた本を読んで調べた。それがいまネット検索で手軽にできる。しかし、その情報が本当に正しいのか、吟味する力が必要になっているという。

 そうした批評的思考は、日本の弱点とされる。OECDの学力調査の一環で、他人といかに協力できるかチームで連携する力を調べたことがある。3人一組で役割分担する想定で、他人の誤りなどに適切な助言ができるかなどだ。日本の生徒はルール違反を指摘して修正できるかみる設問で正答率が低く、他人に迎合する傾向が出た。

 オンライン授業以前に、自学自習の力を見直したい。日本の学生の勉強不足が指摘されて久しい。欧米に比べ、日本の学生が課題図書を読む量など授業の準備に充てる時間は極めて少ないといわれる。1日の読書時間が「ゼロ」という学生が過半数に上る調査もあった。異論、反論はチームで解決していく力につながるが、確かな知識、教養に根ざした意見を持てるか。自ら学ぶ力が問われている。

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